偏頭痛の症例
おはようございます!
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
9月に入り少し気温が下がってきたかなと感じるも、・・・・・・いまいちな天気ですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか? こういう時に無理をすると後でどっと疲れが来るので、おとなしくとは言いませんが、計画的に動きましょうね。
さて、本日上げるのは泰心堂で取り扱いの多い偏頭痛のお客様のお話。
多くのところが、1.患者さんが来ました。2.○○しました。3.術後の感想いただきました。(ほとんどの場合、直後か翌日程度)、(4.その後、来院せず。)というパターンが多い中、泰心堂では6回は来た方が良いよと最初にお話しています。
何故ならば、泰心堂の基本方針として、一回限りので施術ではなく、経過観察が大事と考えています。
その日が楽になる、2~3日楽であるというのは実はそこまで難しいお話ではありません。
事前の聞き取り(ヒアリング)で、様態急変の可能性があるかどうか、具体的には脳梗塞などの前駆症状がないかを確かめてから、頭頚肩と上背部の調整をするとほとんどの場合、頭に行く血流が一時的に良好な状態になるので、個人差はありますが、比較的楽な状態が数日続くというからだの状態にリセットを掛けることができます。
じゃ、それで良くなったかと言えるのか? というお話ですね。
泰心堂には、今きつくて数日楽になればよいという方から、長年つらい状態を続けているので何とか楽な状態が長く続くように体を治していきたいという方まで幅広く訪れます。
前者の方は場合によっては、短期的に楽になれば、当座をしのげれば、体調が上向きなるからOK(※普段さほどつらくない方)という方もいます。
後者の方はそれではだめです。なぜかというと、後者の方は、ある意味で悪いなりの安定状態にあることが多いからです。これは頭の中の”認識”(意識的/無意識的)が関わることですが、いつも通りの状態って何が悪いのかわからないからです。
慢性的な症状を抱えることで、常に、”いつもと違う”ことを認識されている方は極めて稀です。
いつも通りに生活して、いつも通りに行動して、いつも通り不快な症状が出ているわけですね。
これを、”常態化”と言います。
この常態化は、日々の生活での疲れが溜まり、体を歪ませ、その歪みが自身の力で取り切れず、歪んだまま生活をすることでさらに負担が増大していく状態=蓄積疲労状態で発生します。
ひとことでいうと、「悪いなり安定する」ということです。
具体例1:「今日は調子良いよ。足痺れてるけど」
※足痺れている時点で、調子が良いとは言えません。
具体例2:「今日はガンガン来ないからまだマシ。相変わらず怠さは抜けないけれど」
※本当に、マシ程度。
これらの状態を軽減、改善、解消へと向けるには、良い状態というのを体に”認識”させる必要があります。
つまり、
1.体液循環が良好である状態
2.自律神経系の機能が良好である状態(体が左右対称性に機能できる、筋などに速やかに力が入る、調子の悪い箇所が的確に分かり、修復命令を出せる)
3.筋緊張が適正なテンションを保っている
4.骨、関節などの位置関係が適当で、動きが滑らかである
5.重心が安定している。
など、からだのパフォーマンスがしっかりと発揮できる状態へと合わせることで、ギャップを認識することができてはじめて、自然治癒力だ、経穴、生命力(イネイトインテリジェンス)だ、等々が発揮できるのです。
これは頭痛の場合も同じで、頭頚肩まわりは当然として、背中、股関節や手足の状態など全身とその連動性を確認し、最適位置へと反射誘導を掛けることで、からだの状態が良好な姿位(解剖学的正位、あるいは機能的正位、Zero-Position)に近づき、現時点で良好な状態を意識させるように仕向けます。
その後に、現状と過去との差異を体が認識し、からだが異常、修復が必要と感じる部分を自らのからだの仕組みで調整・修復を始めます。
もちろん、そのまま進んでいくことが理想的ではありますが、何度もお話していますが、人は生活すると疲れます、くたびれます。草臥れると歪んで体を支えます。その結果、多少なりとも歪みや蓄積疲労が発生します。
なので、それらとの綱引きというかバランス(均衡)を取りつつ、良好な状態をできるだけ維持することで、回復方向へと向かわせる必要があるわけですね。
とまあ、長くなりましたが、施術と症状良化の関係はこんな関係があります。
さて、最後にさらっと症例を
30代女性 左偏頭痛(左側頭部に締め付けるような感じが発生)、週に5回ほど。中学生くらいがからずっと。頭のCTなどの検査では異常なし。
この方、実はある部位を調整してことにより、その後とんとん拍子で良くなった方です。
それは3回目の調整(※2回目から2週間後)の時です。
「先生、前回調整してもらってから1週間くらいは楽だったんですけど、10日経つとまた頭痛がしてきました。あと左の足の甲も痛くって、……」
と仰るので、左の足の甲を見てみると、はっきりと第二中足骨と内側楔状骨との関節が凸状に。
※やや甲高だというのは確認していましたが、捻じれる様に凸になっているのはこの時が初めて。
「じゃ、ここもついでに調整しておきましょう」と足の調整を入れると、……まあ、足の痛みは取れるわけです。
「ではまた次回」とお約束。
4回目の調整の時に言われたのが
「あれから全然、頭痛が起こりません」
まあ、結果的には足の中足骨の捻じれがからだの機能的不具合を起こして、その影響で出ていた頭痛が、解剖学的正位(骨組み的に正しいとされる位置)、あるいは機能的正位(うまく動く位置)に調整されたことにより、自律神経系の機能がうまく働けるようになり、頭痛を起こす必要性がなくなったので、頭痛がすっかりとれてしまったってことですね。
こういうことがたびたび起こるので現場では○○だから◇◇というパターニング的なチェック、調整だけでなく、いろいろと観察していくことが大事になりますね。
この方の場合、偏頭痛が長年にわたり出ていたこともあり、症状に対する調整という意味ではあと3回ほど調整して、終了。あとはたまにメンテナンスがてら顔を出されます。
※泰心堂ではメンテナンス調整は3~4週間に1回を目安にするか、教えた指標=サインが〇個該当したらそろそろ調整のタイミングですよとお伝えしています。
細かな話は、個人情報を含んでしまうのでこのへんで。
0コメント