質問に答えます。その74 華佗狭脊穴って使いますか?

 どうも、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。

 今回のお話は、鍼灸の専門的なお話になりますので、一般の方はもしかしたらわかりにくいかも。



 はい、ということで一般の方を今回は置き去りで進めていきましょう。


 愛知県 Aさん(鍼灸学校学生)

(前略)

 なかなか改善しない腰痛や足の痺れに対して、先生はどのツボ(経穴)を使われますか? 学校で華佗狭脊穴って習いましたけど使う頻度はどれくらいでしょうか?

(以下略)


その他、滋賀県の方や、青森県の方からメールをいただきました。

ありがとうございます。


ええと、どこまでお答えしようか迷うところですが、私、出身は積聚治療→経絡治療というようにまさに日本の鍼灸師なんですが、今現在は自律神経調整系の鍼灸師と化していますので、ぶっちゃけ話、経絡経穴の軛からかなり解放されていますので、あくまで現場の鍼灸師の一人がどう考えているかというお話で進めさせていただきます。教科書通りでないというよりも教科書自体が無批判に情報寄せ集め、垂れ流し状態で書かれているので、国家試験対策にはなりませんので学生さんは特に注意してください。


とお断りをしておいて、


私、藤井崇次(泰心堂)が現場で頻用する経穴は、上天柱と脳戸です。この三つだと神奈川の周気堂の茂木先生を思い浮かべてしまうのは私だけではないと思いますが、私は茂木先生の”半身症候鍼灸法”については書籍レベルでしか知りません。また半身症候鍼灸法を採用しているわけではありませんのでその点ご理解いただければ。

※茂木昭先生の徒手調整家のために書き下ろしされた、筋反射テストの書籍は良著だと思います。

※半身症候鍼灸法について書かれた著書もまた、言葉はきついですが、施術方法に悩む後輩たちへの慈愛に満ち溢れています。なによりも患者さんが良くなるための研究成果であることが端々からうかがえます。


ええとそうなったきかっけという意味では四国のK-style 岩城憲治先生(自律神経整体協会)の新・自律神経整体、FullScanSystemなどが直接的なきっかけになります。

これ自体は、鍼灸部門よりもむしろ徒手調整術研究部の活動の一環で、鍼灸と整体、カイロプラクティック系の技術との相違点と相似点とを分析し、合理的かつ一貫した施術方法を考案しようという活動の中で手に入れたのがこれらの技術体系です。


その中で、キネシオロジーテストとセラピーローカリゼーションという検査手技を通じて、調整点の絞り込みとその効果の観察を行った結果、上記の3か所を頻用することになったというのが実際です。


 その次に利用頻度が高いのが、経外穴 二腰の少し上(大腸兪より内上方)から内下方に斜刺ですね。条件が整っていれば坐骨神経痛がすっとその場で引いてしまうこともあります。

 ここを使う理由は、実は泰心堂で扱っている長鍼の透刺という技術(骨格調整鍼)で通過する部分だからです。

 もともと上仙(赤羽幸兵衛氏命名)付近は腰の動きというか仙骨の運動性と関連が深いように感じていて、その並びの反応がかなり顕著に出やすいという傾向がうちの顧客にはあったので、改めて使用法を観察してみてこのあたりを中心に使っているなと。


 で、話戻すと華佗狭脊穴を使うかというと、ほぼ使いません。

 華佗狭脊穴の場所は脊椎外方5分あたり、簡単に言うと骨のすぐ脇で上下の骨間ですね。端的に個々のラインは長鍼を通しにくく、通したところで今一つの結果しか観察されなかったので使っていません。私が通すラインは棘突起から指1.5~2本分のところ。胸部だと肋骨と椎骨との関節の近辺ですね。

 このあたりは胸郭運動に変化が出やすく、とくに下部肋骨は腰部の筋肉との関係性が深いのでここが動き出すと腰部の筋肉の動きも良くなる傾向があります。


 私の場合、奥の手として長鍼を使うこともあり、華佗狭脊穴を使うことはほぼありません。


・・・・・・というか、ですね、うち専門と表示しているのはめまい、頭痛自律神経系の不調で腰痛は重症者用のメニューでちょっとくらいなんで、うちに来る腰痛顧客は基本的にいろいろやって効果がなかったのでうちに来たという方ばかり。

 当然、鍼灸も経験していますし、通り一遍のやり方ってまあ、経験済みなんです。骨盤調整しかり、なんちゃって頸椎調整しかり、腰回りに鍼を刺す鍼灸も、あとは足の調整もしましたなんて人もいらっしゃいました。

 何をしてきたかわからないといけないので、ま、その辺も徒手調整術研究部の活動だったりで一通り研究済みですけどね。

 で、効かなかったとおっしゃるわけです。

 となるとやり方が拙かったのか、見当違いだったのかはまあ、施術者側の責任かなとは思いますが、おそらくは条件が違っていたということですね。

 ならば同じことをしても意味がないわけです。

 より精度の高い調整か、ほかで見落としがちな調整ポイントか、それともそもそもの調整点が違っていたのかなどを観察、検査、調整、観察を通じてふるい分けをして、その人の状態を改善方向へ向ける手段を打たなければならないわけです。


となると、〇〇で◇◇のツボというのは、もうとっくに終わってきているのだから、安易にそういう方法をとることはないのです。


もちろん、自分のところが初めてですというお客様に対しては、質問の経穴などを利用するというのはありだと思います。


この話題はこのへんで。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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