アレルギー系症状の施術について
おはようございます!
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
ええと鍼灸師としての私としては、アレルギー系症状って普通に対応している状態のひとつです。基本的に鍼灸という医術は、体の仕組みと機能を利用しているので、からだの仕組みと機能という観点から改善可能な症状、状態について良い結果が出やすい傾向があります。逆に、不可逆的変性=元に戻ることがない変化や欠損=からだの仕組みとして再生することがないものについては逆立ちしようが不可能です。
具体例1:「先生、腕が動かないんですけど」→一時的な麻痺や機能障害のみが原因である場合、機能低下状態が解除され、機能障害が修復されたら動きます。
具体例2:「先生、腕はやしてください」→トカゲじゃないんですから無理です。
具体例3:脳卒中後片麻痺。「先生、あの頃に戻りたいです」→無理です。ことは起こってしまっています。ただ、現状よりマシな状態にするため(QOL=生活の質の向上)の手伝いは可能です。
具体例4:脳卒中後片麻痺。半年たって車椅子で来院。「先生、この状態って少しはましになりますか?」→「やってみましょう」。1年7か月後、会社復帰後通勤は車椅子、車内は杖を用いた自力歩行。麻痺側の握力5㎏以下→28㎏。機能が残っていたので刺激と訓練とで回復した例になります。
はい、からだが回復できるものは回復しますし、できないものはできません。
じゃ、今回のテーマであるアレルギー系症状はというと
アレルギー系症状の仕組みは高校生までの保健体育や科学ー生物の範囲で習うことですが、”免疫低下”ではなく、”免疫過剰”で起こるものとされています。アレルゲンと呼ばれるものに対する過敏な反応が皮膚に現れるとアレルギー性皮膚炎となり、気管支などが反応して喘息様症状を引き起こすと(アレルギー性)喘息となります。
他のも過敏体質によるものなどもありますが、基本的には外的因子の排斥反応として起こるものだと考えてください。
ただ、これって本来は自律神経系がもつ正常な免疫システムというからだのを守る仕組みなのです。それがある意味制御不能状態に陥っているわけです。
これを自律神経系の機能低下として考えると、自律神経系の機能低下を何とかすればからだに用ができ、ある程度の範囲であれば反応しなくても良い状態になるのでは? というのが鍼灸を含めた、徒手調整術系の施術の考え方です。
とざっくりとした説明をしたところでぶっちゃけ話に入りたいと思います。
〇アナフィラキシーショックを起こしかねない食物アレルギー系の悩みに対する対応。
→原則、対応しません。お互いのリスクが高すぎます。近くにアレルギー外来のような専門分科を置いている病院もありませんので、緊急時の対応ができません。専門の医師の指導の下で減感作療法などを試みている方の体調調整のみ受け付けます。
〇花粉症、アレルギー性鼻炎、一時的な接触性皮膚炎などアレルギー性を疑われる皮膚炎など
軽度のものであれば1~10回以内に変化が現れる傾向があるように思います。根治を目指すのではなく、体調に余裕を作り反応しなくても良い状態をできるだけ長く継続できるようにするという考え方のもと施術を承ります。
根治は基準があいまいであるので、何が根治であるかという定義が非常に難しいので。
しかしながら、ある程度の期間集中的に施術をして、その後、年単位で症状がでないという顧客もいますし、仕事などで蓄積疲労状態に陥る体調不良を自覚するレベルになると現れるだけという方もいます。
〇喘息、アトピー性皮膚炎など重度の症状
軽度ものであることは少ないので10回以上、場合によっては年単位施術を継続するケース、時には効果なしと判断するケースがあります。
2018年の実績では2018年中に受けた患者数は5名。略治(=生活上にならない範囲)に至ったもの3名、中途離脱したもの1名(引っ越し)、2019年6月現在継続中1名(ただし施術は月1回~2月に1回程度と変則的)。
2017年の実績では、同6名、略治4名、離脱1名、継続1名(2018年内に略治)。離脱についての特記事項、簡単に言うと折り合いがつかなかった。金額(毎回ディスカウントを求めるなど)、回数(週1回程度を見込んでいたが来なかった)、予約時間への頻繁な遅刻(電車など交通機関の事情は含まず)など。
あまり多い例とは言いませんが、%でいうと驚異的な%を維持しています。施術回数と期間についてはまちまちなので参考にならず例としては挙げませんが、概ね週1回程度です。これでも顧客の皆様の多くには「え? そんなに少なくて良いのですか?」と言われるレベルですね。
〇施術回数について
私、泰心堂こと藤井の考え方の中には、症状を鍼灸や施術で抑え込むという考え方はありません。例外ケースとしてぎっくり腰など疼痛性疾患において、耐え難い痛みであり、それ自体が大きなストレスとなると判断されるケースにおいて、鎮痛を目的とした処置を行うことはありますが、本来、痛みというのは体の仕組み上、当然に出ているものであり、出なくてはならないものです。この辺は高校生までの保健体育や科学ー生物などでなる範囲のことです。
なので、痛みがない状態で無理できる→壊すというサイクルを繰り返させるより、痛みがあるから行動を控える→養生する→治癒が進むというサイクルを繰り返すべきですので、取れない痛みを無理やり抑え込むことはナンセンスです。
故に、施術は顧客の生活を補助し、支援するものであるべきであり、生活の中心であってはならないと考えます。
また、顧客側が心がけるべきことは、意味不明のセルフケアや複雑な運動療法などを試すことではなく、自身のからだの変化を感じることと、どのように無理がかかっているのかを知ること、そしてその無理な行為を置き換えたり、変わってもらったりと生活上のストレスを減らし、楽な状態を作ることです。
このように考えていくと、週2~3回の施術を提案するのは、ケースによってではあるが、忙しすぎてむしろストレスにならないか? と思うわけです。
なので、うちでは週1回程度、あるいは10日から2週間に1回程度の施術を提案しています。
で、その結果が上記の実績なわけですね。
〇施術と刺激強度について
鍼灸などでは刺絡など強刺激と呼ばれる刺激方法でからだの変化を促そうという傾向がかなり強くあったのは事実。実際、私も子供のころ中野にで刺絡施術を受けていたりする。
しかしながら、からだの仕組みと機能に着目した場合、過度な強刺激はむしろからだの負担になる。この辺りはプリューゲル・アルントシュルツの刺激法則を参考に。
故に、できるだけ負担を少なく、無理なくからだの機能を取り戻そうと考えた時、刺激のし過ぎは避けるべきだと考えた。
一方で、効果自体、つまりからだの反応と反応の結果としての変化は最大限引き出したい。
そこで注目したのがクラニアルテクニック。自律神経系の中枢は脳であり、頭蓋内環境の悪化→脳圧迫→脳機能低下→自律神経系の機能低下→症状という流れを考え、頭蓋内環境の変化を促すことでこの流れに割り込みをかけるのがクラニアルテクニックである。
また、現場で使っていてもわりと相性の良さを感じるテクニックであり、2012年以来、重症と判断するものには組み合わせて使うことで良い結果が出ている。
力加減としては、軽度圧迫と1~2か所の針灸刺激もしくはDRTというカイロプラクティック系技術による背中に対するスイングに似た刺激程度。
これらを利用することで、検査によって認識した体のズレ(左右差、重心のズレ)、四肢など末端に現れるむくみ(体液循環不良)などわかりやすい目印を変化させることで、その背後にある脳機能低下=自律神経系の機能低下に対して変化を促すのが、本施術の目的となります。
とはいえ、アレルギー系症状に対する施術は、特に鍼灸院に来院されるレベルは大概、時間と回数とそれに応じたお金がかかるケースがほとんど。
うちでは、無理に勧めることはありませんので、希望する人は良く考えてから申し込みください。
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