質問に答えます。その61 緩消法と脳活性療法と筋痛の関係
おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
本日は土曜日ということで習志野市大久保にある私のサロンでの施術活動です。
施術をご希望の方は、上のメニューか、公式サイト経由、あるいは検索エンジンに“習志野市 泰心堂”で検索してください。
午後は少し早めに施術を切り上げて、8月末までのキャンペーンのポスティングをしたいなと考えています。なお、鍼灸ではなく徒手調整術研究部のネタになりますのでご注意ください。
さて、今回のお話もまたどちらかというと徒手調整術研究部のネタになります。
では、本題へ。
『質問に答えます。その61 緩消法と脳活性療法と筋痛の関係』というタイトルでお話ししたいと思います。
まずこの“質問に答えます。”というコーナーですが、私 藤井が私見たっぷりに読者、顧客の皆様からの質問にお答えするコーナーであって関係者の公式回答ではありませんので、ご利用の際はその点留意してください。
また、別所にて私が述べた見解がさも自分が解したものであるかのように語っていた施術者もすでに何名か判明しておりますので、くれぐれも使用、流用につきましては注意ください。
また、そのことにより生じた損害などは各個人の責に帰す事由とし、当方は免責とさせていただきます。
まあ、施術者なんだから自分で責任とれって話ですね。
さて、寄り道してしまいましたが、
まずはそれぞれの簡単な紹介から
緩消法:坂戸孝志 痛みの専門院、一般社団法人 日本健康機構
2007年に発表された『筋肉を緩めて痛みを消す方法』。痛みと筋肉との関係性を生理学的に考察、検証(科学的証明、エビデンス取得、医学会発表済み)することで、わずかな圧と運動を持って筋の異常緊張状態を解除し、癒着を剥がし、無緊張状態を作ることで筋緊張を作るカルシムの排出を促し、血行不良、血流不足状態を解消することで痛みを解消し自然な治癒を促進する妙法。
筋ー神経的アプローチ
脳活性療法:滝本裕之 ひろカイロ整体院、セロトニン活性療法協会
脳生理学者との共同研究(ISLIS セロトニン神経活性化の臨床的評価:脳波α2成分の発現 2016年3月)から手技による特定脳波の活性、セロトニンの分泌促進法を開発。
脳波と自律神経系の働きに注目して、特定脳波(α2波)を手技により活性化を促し、セロトニンの分泌を促すことで自律神経系の働きを賦活し、全身に対する調整力を効果的に発揮できる体に仕向けていく療法。
脳ー神経的アプローチ。
さて、どちらもポイントの一つは、科学的証明(エビデンス)済みということ。
ええ、鍼灸術はエビデンスが合わない
と言っておきながらエビデンスを持ち出すわけですが、
この良いところは、やり方が正しいければ、実験通りの結果が高確率で生じやすいということ。
緩消法であれば、指を当てた範囲について、筋緊張を促していたカルシウムの筋中からの排出を促し、無緊張状態を作ることができるということであり、それが筋全体に及べば、該当筋肉による過剰な筋緊張よる圧迫とそれに付随する異常は解消されうるということになり、
脳活性療法であれば、自律神経系の誤作動により認識できなかった状態を認識できるようにすることにより修復を促すことができる。あるいは自律神経系の働き自体が阻害されていた場合、活性化によりその阻害原因を解消しうるということであり、結果として自立的な修復、調整を図ることがあり得るということになる。
では、筋痛という視点から考えると
1.痛み信号のみの場合
→緩消法においては痛み信号が筋肉などの緊張などにより生じているとするので、それが解除されるために痛みは解消する。
→脳活性療法においては、自律神経系の正常化の結果、必要のない痛み信号は解除される。
2.痛み+組織の物理的ダメージ(筋断裂など)の場合
→緩消法においては、過剰な筋性防御を促しているカルシウム分の筋中からの排出促進、血行不良状態、血流不足状態の緩和と炎症(治癒反応)促進。必要な痛み(痛み適正化)を伴いつつ治癒方向へ。
→脳活性療法においては、自律神経系の賦活による患部の状態に応じた痛みの適正化と筋性防御反応の適正化(自律神経の調整作用により筋緊張の適正化が起こる)による治癒促進。適正な運動を促すことにより筋中のカルシウム分排出。
機序が異なるが似たような結果が出てくることが予想される。
なぜならば人の体の構造上、生理学的な仕組み上、最高次中枢である”脳(脳幹)・神経系“の機能正常化が最も大事なことだからですね。
現場での使い方の検討(私見)
急性期の痛みへの処置
◯鍼灸:ゲートコントロール、鍼鎮痛の機序、シーソー現象(赤羽氏法)などを考えても悪くはない。
末梢ー脊髄神経反射を利用した局所の筋緊張変化と刺鍼部位への一時的な血流量増加、鎮痛
末梢ー脳・脳幹反射を利用した自律神経系の反応による鎮痛ならびに炎症物質(ホルモン)の放出、血流の増加。
また持続的筋刺激による筋に対する強制的弛緩効果なども期待できる。
◯緩消法:急性痛はAδ繊維系統(高閾値侵害受容器、Aδ侵害受容繊維、識別感覚、即時痛)が主となるが、慢性痛はC繊維系統(ポリモーダル受容器、C侵害受容繊維、原始感覚、遅延痛)が主となる。故に明確な局所の痛み部位近位に対して緩消法を施すことで急性期の痛みに対応できると考えられる。
◯脳活性療法:脳波活性、自律神経系の賦活により痛みの最適化が期待できる。が、局所の弛緩効果が出るかどうかはその人次第。
脳活性法の理屈によると脳波覚醒→自律神経系の賦活→全身への調整という機序なのでこれは前提として素晴らしい。
頭が働いていないと現場の作業がうまくいかないわけですから、その優位性は推して知るべし。
ただ、どちらかというと慢性痛や原因不明痛、不快感、違和感などへの処置の方がわかりやすいのかなという印象を持った。
逆に、緩消法は痛みのある場所、筋肉が硬い場所とある意味でわかりやすい部分に対してわかりやすい効果を上げるという意味では非常に高い優位性を持つ。
どちらも素晴らしい技術だと思います。
こんな感じでAとBとでどちらが間違っていて、どちらかが正しいということではなく、それぞれが得意とする場面、あるいは得意とする状況を見て、原理原則に基づいて使いこなすことが大事になります。
・・・・・・でも、どちらから考えてもただひたすら強く揉めば良い、押せば良いという考え方は生理学的におかしいことはすぐにわかることだと思う。多分あれは、観念論やらなんやら別の体の治癒とはまったく関係のない理由があるのだろうと思います。
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