質問に答えます。その52 え?腕が上がったんですが?何故?
こんにちは、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
今回のお話は前回の記事を受けてのお話になりますので、前提のお話は前回記事をご覧ください。
はい、今回のお話は、『え?腕が上がったんですが?何故?』というお客様? というか読者からのメールへの回答です。
まずは、前回の記事から。
はい、こちらが前回の記事。
で、いただいたメールがこちら。
『泰心堂 藤井先生へ
はじめまして、私 ○○市在住のKと言います。
いつも記事の更新を楽しみにしています。
先日、四十肩、五十肩の記事を見てさっそく試してみたところ、右手の薬指の付け根のところに激しい痛みを感じましたので、そこにお灸をすえてみました。5~7個くらいやってみたら、火なかばにして熱さを感じましたので指示通りそこで終了。
正直「本当に効くのかな?」と思いつつ、その日はそのまま休みました。
翌日、朝起きて、いつもつもりで洗顔、歯磨きをしていてはっと気が付きました。
「あれ? 腕が上がっている!?」
それまでは洗顔中に腕を上げようとして痛みではっきりと目が覚める感じだったのですが、この日は普通に歯磨きまでしていました。
あれほど痛かったのに。
まだ、まだ完全に腕が上がるという状態ではないので、今後も続けたいと思います。
でも、これだけで治るのでしょうか?
(以下略)」
はい、神奈川県在住のKさん、丁寧なメールありがとうございました。
ということで、解説していきましょう。
先日紹介した四十肩、五十肩のセルフケア方法の前提となっている技術は記事にも書きましたが、Koryo Hand Therapy=高麗手指鍼術(瑞金療法協会)です。
特徴としては、
1.手のひらに対して施術するため施術姿位を問わない。
2.独り(一人)でもできる
3.即効性がある。
4.持続性がある。
5.反射領域刺激療法のため、直接患部を刺激しないため、施術後の患部の変化の確認が容易。
6.反射領域刺激療法のため、自律神経系の反射を利用して身体に変化を促すため、必要以上に患部の筋、組織に負担をかけることがない。
7.神経反射を利用した自律神経調節のため、あらゆる状態に対して、安全に刺激をすることができる。
8.神経反射を利用した反射的刺激療法のため、過剰な痛みに対して無理なく、速やかに鎮痛効果を発揮する。
9.神経反射を利用した反射的調整のため、修復のために必要な痛みは、修復中残り続ける。
10.神経反射を利用した反射的調節のため、外傷そのものには直接的な効果はない。※自律神経系の調整→炎症=修復反応の促進など間接的効果は期待できる。
その他。
はい、ポイントは、一人でも可能な、”て”を使った、自律神経調整術であり、様々な状態に対応できる療法であるということ。自律神経系の機能低下状態を解除することで、からだの自然な作用として機能が十分に果たせる状態へと回復を促進すること。
つまり、こちらのセルフケアを通じて、痛みが解消し、関節可動域が正常化、体のバランスが正常化した場合、それは治癒と言えるということ。
すなわち、極論言えば、先に紹介したセルフケアのみで、四十肩、五十肩が治癒まで辿り着くことは可能です。
が、長くなれば長くなるほど、関節拘縮=うまく動かない状態が強く、常態化=いつも通り化してしまうので、関節可動域を元に戻すリハビリは必要です。
はい、凄い便利ですよね?
じゃ、なぜこの情報が広く流布、共有されていないのか?
簡単にいうと、
1.元々、専門家向けの情報として入ってきてしまったこと
2.専用の道具が必要だったが、十分な量が入ってこなかったこと
3.そのために、粗悪な代用品による施術、検証が行われたこと、あるいは施術者が十分な知識なく、見様見真似で再現した劣化コピーを原因とする施術者育成の失敗。
4.そのため、十分な施術者数を確保できなかったため、希少な施術法となってしまったこと
などが挙げられます。
私は、もともと自分でも自分の重度の腰痛や喘息発作を抑えるために、”腰腿点”から発想を得た手を用いた全身調整法を考案→のちに高麗手指鍼術の講習(小松隆央先生主宰)に参加し、瑞金療法協会研究課程修了証授与と、身体に対する考察と鍼灸術、カイロプラクティック、反射療法などの分析と再構成をライフワークとしていましたので、その過程で、KHTをしっかりと学ぶことができましたが、情報も学習の場も少ないというのが現状なのです。
泰心堂では、基本的に”自助論”(”Self-Help” サミュエル=スマイルズ)的な発想を前提としている部分があり、
1.施術者が専門家として助けになるべき問題:専門性、施術技術、運動指導
2.患者が、自らのために律し、行うべき問題:日常習慣の見直し、自律
3.施術者と患者との共同作業:施術機会の確保、指導の実施、セルフケアの実施など
の三つから現状の変化は起こると考えています。
なので、必要に応じて泰心堂はりきゅう院、同 徒手調整術研究部では自宅でのケアの方法なども教えています。
その一環が、KHTのセルフケアへの応用だったり、”貼るだけバランス調整術”だったりします。
詳細な返答は個別にお返ししましたので割愛。
ただ、このパターンが当てはまらない方は当てはまりませんので、良くなったらラッキーぐらいの軽い気持ちでお試しください。
また、Kさんはお灸による火傷はなかったそうですが、お灸は熱源であり、火傷を利用した反射療法ですので、くれぐれも火加減にはお気を付けください。
一応、推奨する火加減としては
1.「熱っ」と感じる程度
2.感じない場合、(台座灸)の場合残り1㎜程度を残して取り去り、新しいものに変える。
3.1.の条件を満たすまで何度も繰り返す。
と指導しています。
施術の予約はこちらからお願いします。
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