質問に答えます。その50 手が冷たいのどうにかなんない?
こんばんは、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂 藤井崇次です。
ええ、眠れない夜は無理に眠らない。
眠くなったら眠りに落ちることでしょう。
さて、暇潰しのお話は、なんとキリ良く50回目の質問に答えます。
ま、これって施術者あるあるだと思うんですけどね。
『手が冷たいんですけど、どうにかなりませんか?』
こんな質問というか要望。
あなたはどう答えます?
「唐辛子に、生姜湯に、……」
こんな的外れな回答しますか?
それとも
「経絡(骨盤)が乱れているから、調整しましょう」
こんな論理整合性が取れないようなズレた回答しますか?
出来たらやめて欲しいなと思います。
一部の例外を除き、手が冷たいのは、毛細血管内の血液流量が足りないか、そもそもの発熱量が足りないから。
ええ、生理学的に、体温は筋肉により発生し、血液を介して全身に配られる。
となると、毛細血管が発達しにくい箇所、発達していない箇所はそもそも配られる熱量が少ないのであるから、体温は低い。使わなくても良いところには、そもそも血液を配る必要がない。
だから、手が冷たい。
じゃ、やることは決まっていますね。
指の運動と筋トレですね。至極簡単な理屈。
ちなみに冷え性の改善もまたこれでOK。
ま、途中の関節を中心とした捻じれにより、血管等が圧力を受けて、流れにくい状態になっていることもないわけではないが、原理原則、そして原因を考えれば、血液の流量を増やすのが前提。
でも、井穴にお灸をすえると手足が温まるからそれでよいのでは?
実に鍼灸師らしい教科書的な回答ですけど、それもまた理屈がある。
井穴は爪の際の刺激点。ここは手足というから体の末端部位である。そこにダメージを受けると体は緊急反応としてダメージの回復を行おうとする。具体的には、関連する血中ホルモン量の増加、受傷箇所の血液流入量増加と応急処置、そして治癒反応としての炎症反応が起こる。この血液流入量に伴い、周辺の毛細血管の拡張および毛細血管の新生あるいは側副路の形成が行われる。これにより血流量が増え、周辺熱量が増え、温感を感じる。
問題は、それがどのくらい継続するかである。
人の体は非常に効率的にできていて、要らないところにわざわざ(相対的に)少ないエネルギー(=熱量)を分配しようとしない。
つまり反応が終われば、元の冷たい手に戻るのである。
じゃ、ピアニストのような指先を使っている人の手が冷たいのはなぜ?
全員調べたわけではないが、比較的温かいように思う。
先のように指先まで使っているので、疲労回復やダメージの治癒のために血液を回す必要があるから。
そして、そもそも表現を付けるには腕周りも含めた筋力が必要なのでしっかり弾いている人は筋力量がそれなりにあるのが普通。
しかしながら、なお冷たいというのであれば、どこかに血流障害、血行不良が生じている。ざっくりと述べるのなら、関節の位置(アライメント)異常や筋の過緊張などにより血管など体液循環経路に捻じれや持続的な圧迫が生じており、体液循環不良状態にある。
ならば、関節の位置を戻し、筋の過緊張などを解除し、持続的な圧迫状態を解消することで体液循環不良状態から解放され、血流が促進されることが期待できる。
さて、では具体的な解消方法に入ろう。
推奨:加圧トレーニング
※心臓、腎臓、血圧などに問題がないことが前提。
次点:スロートレーニング(ハイインテンシティトレーニング マーク・アサノビッチ)
日本ではスロトレとしてそれなりに有名。
両方とも東大のマッスル教授こと石井直方先生が関連の本を執筆しています。
この二つを勧める理由は、筋トレ効率と目的のため。
特に施術者にとっては単に瞬間的にでる力が強いことよりも、動かせる範囲内で精緻に動かせることが大事。ならばトレーニング中、最初から最後まで制御しきるトレーニングの方が適している。
早い人であれば3週間程度で効果が出始め、遅い人でも年単位でじっくりと鍛え上げればスタイルも良くなって一石三鳥くらいは狙える。
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