質問に答えます。その40『根本療法って何ですか?』
おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂こと藤井崇次です。
ええ、今朝は久々に、背筋が攣りました。滅多にそういうことがないのですが、今朝は珍しくのたうち回る羽目になってしまいました。
まあ、今はかなり落ち着いて、夕方くらいにはほぼ問題なしになる予定ですが、……こういう時は根本療法はではなくて、対処療法の方が効果的ですね。
さて、『質問に答えます。その40『根本療法って何ですか?』というお話をしましょう。
とは言え、これかなり厄介な問題も含まれていますので、該当者、関係者はご自分の顧客の皆様へ、ご自分の言葉できっちりと説明してください。
それは、要は何が『根本か?』って話なんですよね。
言葉の定義って大切ですよね。
例えば恩師 小林詔司(積聚治療創始者 積聚会)の積聚治療の場合、根本は精気の状態。過剰な虚損状態になければよい。
例えば、本来の経絡治療の場合、経絡に変動がなければ良い。※本来の定義には脈がどうとかはない。
例えば、カイロプラクティックー上部頸椎の調整の場合、頸椎1番、2番を中心とした配列と構造的隙間、お互いの角度(歪み、リスティング)などが適正の範囲であること
例えば、カイロプラクティックークラニアルテクニックの場合、頭蓋骨を中心とした一次呼吸(蝶形骨ー後頭骨の屈曲伸展)が適正に行われていること。
など、考え方によって、どういう状態が望ましいのか? という基準が異なるので、何を指しているのかの確認はとても大事です。
とはいえ、あまりに専門的なお話は、小難しいだけで一般人には正直関係のない話になりがちなのでその辺のバランスは説明の際に考えるべきことですね。
私の泰心堂の場合は、体液循環が基準です。はい、鍼灸院ですが、体液循環が基準です。
体液とひとことで言っても、血液(動脈、静脈)、リンパ液、間質液、漿液などいろいろとありますが、特に注目しているのは脳脊髄液ですね。
脳脊髄液は血液由来で、脳内(脳室など)で産生され、脳腔を満たして脳幹を保護し、脊柱管を通り背部へと流れ、脊髄を保護し、やがて末梢(脊柱の外)へと出で筋腱組織に吸収される液体です。
疲れるとむくみが出る
というのは女性ならかなりの割合でわかっていただけるのではないでしょうか?
これは体液循環がうまくいかなくなった目印です。少しだけ細かい話をすると、
1.疲れると姿勢を維持するのがつらくなりますので、わざと歪みを作ります。歪みを作ることで体を支えようとするわけですね。これを補正、または補正的歪みと呼びます。
一時的な歪みではあるものの、本来のバランスからは崩れた状態になるので、身体機能のパフォーマンスは一時的に低下します。また歪んでいる分、体液の流れも悪くなります。
2.本来は、食事をして、身体を適度に動かして、睡眠をとることで、体力は回復し、この一時的な補正が解消されからだの修復、調整が行われます。それによってケガや不調が快方へと向かい体力の回復という現象が起こります。
しかしながら、回復できる程度を超え、回復しきれなくなった状態=蓄積疲労状態に陥ると、一時的な補正が解消されずに残ります。この状態は”歪んだ”状態なので、体液の流れは歪んでいる分流れが悪くなります。
うまく体が動かせない状態、パフォーマンスの低下した状態なので、余計に疲れやすくなります。
この1、2、を繰り返して、体に負担が生じた状態が、病の状態ですね。
ざっくりとした話をすると、
1.疲れると体が歪み、体液の流れがわるくなり、むくみが生じます。
2.浮腫んでいると身体がうまく動かない(機能低下状態)ので、より一層疲れやすくなります。
3.疲れると回復力、免疫力といったものが落ちます。(治癒力、調整力、生命力低下)簡単にいうとうまく体が使えなくなります。だから怪我しやすくなったり、病気になりやすくなったり、疲労が抜け難くなります。
4.この状態を蓄積疲労状態と言い、この状態を長く続けたので結果、あなたの○○という症状が発生したわけです。
5.なので、まず蓄積した疲労を回復することが大事です。
とお話して、「この蓄積疲労状態から回復させる=体液循環の回復を促すための施術が根本療法になります」と続けるわけですね。
まあでも説明としては一例です。
次に根本療法の特徴ですが
1.からだ本来の修復調整機能が働きやすい状態を作る。
2.体自身が持っている力を段階に応じて働きやすい状態を作るので、副作用が起こりえない。
3.体が回復しうる状態であれば、回復しやすい状態になる。
一方限界ですが
1.対象は身体機能の機能低下状態により起こる症状、またはそれに付随する症状に限られる。
→外科的処置が必要なものは対象には原則ならない。
※補助的に用いると良い場合もある。
2.対象が体の機能回復であり、痛み、不快感ではないので、結果的にそれらは解消される可能性が高くとも、その場では対象としていない。
→痛かろうが、つらかろうが、身体の機能が働ける状態になっていればあとは放置でよい、
たぶん、2.がわかりにくいので会話調で捕捉しましょう。
「先生、まだここが痛いんですが?」
「そうですか、じゃ、次回は来週の○○に来てください」
以上
はい、こんな感じです。
痛みや不快感に焦点を当てていないので、それが取れるかどうかは体の事情。取れる状態になっていなければ無理に取る必要はないという考え方であり、むしろ無理に取ってしまう、抑えてしまうことによって無理ができる状態にしてしまうと、生活する中で一層負担が増大し、増悪(悪化)する可能性があると考えるので、その場で取れない痛み、取れない不快感は”取れなかった”と認識するにとどめるというのがスタンスです。
え~っという方もいらっしゃるかもしれませんが、無理が祟(たた)って、症状が出ているのに、無理ができる状態に戻してしまってどうするのでしょうか?
この辺は、自称治療家たちが適当なことをやっていて、それをうのみにしてしまった”患者”(patient=耐えるもの、患者)側の思い込みの問題です。
結構根深いんですけどね。
ピアノなどの楽器に例えると、
→大規模な部品交換などを含むオーバーホールはメーカーなどの業者(体なら医師)のレベル、
→調整、調律などちょっとしたリペアやメンテナンスは調律師(施術家)のレベル
→奇麗な音色を奏でられるかは演奏者(患者)のレベル
ギターやヴァイオリンなどの弦楽器を扱ったことのある人や、リード楽器を扱った人はわかりやすいと思いますが、弦やリードは馴染むまで引っ掛かりがあったり、ノイズが混じり、思った通りの音が出ません。
この引っ掛かりやノイズが施術後に残っている痛みや不快感なので、調整が上手に行われていれば次第にそれは取れていきます。
じゃ、前後の検査ってなにやっているの? と言われると、音程があっているのかはもちろんですが、リューズの状態の確認だったり、弦が正しい状態でセットされているか、あるいはマウスピースとリガチャーがうまくセットされているかなどを確認しているわけですね。
うまくセットされていれば、調整がうまくいっているわけですから、後は無理に手を加える必要はありません。
一方で局所=痛いところへの処置というのは、この音が安定しないからその場しのぎでその辺で手に入る代用弦に張り替えようとか、いつも使っているリードが割れたから何度もいいからリードを替えようというようなものです。
応急処置としては正しいですし、うまくいく場合もありますが、基本的に誰でもできることです。
専門家がやるべき処置ですか? と言われると、ケースバイケースで行うこともありますよって扱いですね。
なにせ、演奏可能(パフォーマンス可能)でも、必ずしも最大パフォーマンスを発揮できるかと言われると疑問ですから。
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