内果炎症とKHTと運動鍼(緩消法)
ども、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂 藤井崇次です。
本日は月曜日、外部での施術日です。本業の方は水曜日~日曜日ですのでご注意ください。この状態は今しばらく続きそうです。
さて、今回は『内果炎症とKHTと運動鍼(緩消法)』というお話です。
今回のお話は実は私の習得しているこまつ式高麗手指術、高麗手指術(以降まとめてKHT)の欠点に対するアプローチの検討というお話なんです。
KHTは自律神経系の調整作用が強く、敏感な手に刺激を送ることで脳が活性化し、その影響が全身に波及することは、創始者 柳泰佑ら瑞金療法学会での研究発表や谷津三雄先生らの実験などでも証明されています。
泰心堂でもどちらかというと、内”蔵”系疾患や一般的な経絡調整でうまくいかないケース、症状が発生している部位的に直接刺激が難しい、リスクが高いケースなどで活用しているケースがほとんどで、自身の運動器系の痛み以外ではあまり痛み疾患には使用していませんでした。
※家庭でのセルフケア指導では便利なので使っていました。
今回のケースでは内果の炎症=肘の内側の痛みのケースで、ちょっと事情があってKHTの技術と緩消法という施術を組み合わせてみようということになりました。
緩消法:開発者坂戸孝志(痛みの専門院)。ある方法を用いて筋肉にアプローチした状態で筋の短縮、伸展を繰り返すことで緩みを作り、痛みを消す方法。
ということで今回の事情
1.鍼に対して恐怖感がある。※以前に行った鍼灸院で痛み思いをした。
2.肘の痛みがきつい。周囲を圧すだけでもつらいくらい。
3.知り合いの紹介なので逃げられない。
はい、ネックなのは3.ですね。紹介されてしまったからしょうがないというやつです。
こういう状態では普通にやるのは芸がない。
なので今回はこういうアプローチになりました。
一.遠隔調整により、反射調整し患部付近を触れるようにする。
二.痛みがあるのは基本的に筋が硬くなっているのが原因なので緩みを作る。
※硬くなっている筋組織が引き延ばされて痛みが出る、あるいは硬くなり血管、神経などを持続的に圧迫することで神経が興奮して痛みが出る。怪我した部位が筋性防御を起こしているなど硬くなる原因はいろいろ。
三.鍼の作用:自律神経系の調整作用、消炎鎮痛、筋弛緩作用(筋のテンションが適正に戻る)などが起こることを期待する。
具体的な手順
1.問診情報から患部を特定
2.KHTの相応点の考え方から肘関節 炎症部位の相応点を同側の薬指より探す。
→過敏圧痛を基準に。ついでに二点間TLを行い、肘の炎症部位が相応点で変化することを確認。
3.2.で検出した過敏圧痛点に対して、円皮鍼を貼付。
4.患部が筋腱移行部でどちらかというと腱の部位だったので、直接ではなく同筋肉の筋腹側より緩消法を行う。
→緩消法は該当部位を軽度とは言え圧迫するのですが、この時点で痛みがなかったことを大変驚かれました。
5.円皮鍼を外し、動作チェック。→痛みなし。
6.しばらく安静とできたら施術継続を指示。ついでに自宅での調整を指導して終了。
結局1か月3回で「問題なし」とのこと。
ちなみにですが、KHT[の五治処方パターンだと痛みなので、膀胱勝方を組み合わせて~のケースですが、今回は五治処方なしで。
また、本来の運動鍼は患側(痛めた方)と逆部位に鍼を置き、患側側を動かすというパターンが主流です。
今回は以上。
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