『小顔整体』のロジック その2 そもそも小顔って可能なの?
おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂 藤井崇次です。
論理構造や合理性を大事にしたい施術家の一人です。
はい、企画ネタの続きですね。
この『小顔』関係は非常に面倒。業界でもやらかしてくれた人がちらほら。おかげで厳しい目線が向けられています。まあ、うちの泰心堂はりきゅう院では、基本クローズメニューなのであまり大々的には知らせていませんのでトラブルは皆無ですけどね。
そもそも『小顔』なんて可能なのか? というのが最初にかんがえるべきことですね。
1.骨自体の変形は可能か?
2.クラニアル系の考え方と一次呼吸、脳脊髄液循環の件
3.筋緊張と周囲筋腱の牽引問題と筋疲労
4.顔面部の体液循環の件
5.姿勢による補正
ざっと考えておくべきことはこんなところでしょうか?
では、順に行きましょう。
1.骨自体の変形は可能か?
これは医師レベルの話。専門は形成外科でしょうか? 少なくとも徒手調整の世界の話ではありません。あったとしたら傷害事件の可能性が出てきます。ええ、だってそれって骨折ってことでしょう? 公序良俗に反する契約は無効ですよ?
2.クラニアル系の考え方と一次呼吸、脳脊髄液循環の件
はい、たぶんまだあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、クラニアル系とはクラニアルテクニックという頭蓋骨の構造上起こりえる問題に対してアプローチするテクニックですね。もともとはカイロプラクティックにルーツを持つ考え方とオステオパシーにルーツを持つ考え方とその他とまあ、系統はいくつかあったりしますが、ざっくりと頭蓋骨調整と覚えておいてください。
もちろん頭蓋を構成する骨自体が変形するというお話ではなく、骨と骨とが合わさるところに関節ができるわけで、その関節は多かれ少なかれ、可動性のある構造(※縫合なども骨化していない限り微小ですが動きます。)となっており、その構造上のバランスが何らかの状態で乱れていて、身体機能に問題が生じているので、頭蓋の骨に接触することでその構造的問題を解消するという考え方ですね。
クラニアル系での基本的な考え方として、私たちが何気なくしていたり、場合によって意識して行う肺を中心とした呼吸のほかに、”一次呼吸”というものに着目しています。別名で蝶形骨後頭骨律動(蝶形後頭低結合の屈曲伸展)などという方もいますが、これなぜ起きるかというと、脳室などで脳脊髄液(CSF)というものを血液から作っているからです。脳脊髄液は脳腔を満たすことで脳を保護、さらに脊柱管を満たし、脊髄、脊髄神経の保護、その一部は脊柱管より出でて筋腱、内臓などに吸収されて静脈やリンパ管へと流れ血液ともに再度循環する血液動動揺に身体を循環する体液です。
このCSFの循環を促す体の仕組みとして一次呼吸があり、体液循環が十全に行われている状態=健康状態=生命力が高く、体の不調を自ら解消できる状態と定義するため、この一次呼吸に注目するわけですね。
細かいことは割愛して、この一次呼吸がうまくいっている状態は頭蓋内に貯留される脳脊髄液も適正量ですので、一次呼吸の屈曲伸展のリズムに合わせて頭の大きさが拡大縮小とを繰り返します。
人は疲れると、補正(補正的歪み)を一時的に作り、休める時まで何とかしのごうとします。当然歪んでいますから、身体は無理をしてる状態であり、さらに疲労が進みますし、歪んでいるゆえに養生圧力を生じ体液循環は阻害されます。しっかりと休むことでこれは回復しますが、休めなかったり、蓄積した疲労の影響で回復が足りなかったりすると補正をそのまま維持したり、場合によっては更なる補正を繰り返します。結果体液循環不良、機能低下を繰り返し、ダメージを積み重ねて症状としていろいろな不都合が現れます。
この時体液は、2か所で停滞しやすい状態に陥ります。一つは末端。戻そうにも邪魔されて戻せないというやつでわかりやすいのは、女性では夕方の足のむくみ。もう一つは、その出口での停滞。水道の蛇口をひねってもホースの先が詰まっていれば次第に逆流して蛇口の先で水が溢れます。血液だと手足の冷えとのぼせが同時にある状態などがわかりやすい例ですね。手足はホースの先で血液がいかないので体液が運ばれないので冷たく、頭は心臓から勢いよく血液が昇りますので熱が運ばれて行きますが、手足のほうで詰まっているので流れが鈍く滞りがちなので熱が溜まりのぼせます。こういう状態に使うのが手足の引き鍼って技法ですね。ま、それはそれとして。
脳脊髄液の場合は、末端で筋力弱化(反応の低下とそれに伴う重心のブレ)などが起こり、出口というか蛇口の先である頭蓋内圧の上昇を引き起こします。内圧が高くなっているので圧力を下げようと頭蓋の筋群を緩めることで関節可動域を広げて内容量を上昇させることである程度耐えられるのですが、硬膜などの膜の可動限界もあるのであくまでもある程度。さらに停滞すると更なる頭蓋内圧上昇、脳圧迫、頭蓋(後頭骨)~上部頸椎のあたりへも圧力上昇で歪みなどを作ります。
頭蓋内圧上昇→関節の可動域拡大→頭部拡大状態。
だとするのならば、脳脊髄液の循環を元に戻すことができれば、頭蓋内圧下降→頭部縮小となるので頭部が縮小するのならば顔面もまた縮小して見えるというロジックは成立しえます。
ただ、この場合は、脳脊髄液循環不良を引き起こしているのは補正(補正的歪み)なので、そのもととなった蓄積疲労の解消と長期化したあるいは折り重なった補正的歪みの解除というのが大事にあります。
うん、長くなったのでまた次の記事にしたいと思います。
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