”解(ほぐ)す”ことと強く揉む、長く押すことは違う
どうも、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂こと藤井崇次です。
本日は火曜日。今日も外での施術の日です。
明日、水曜日は自分のサロン 泰心堂はりきゅう院 での施術日ですので、施術をご希望の方は連絡ください。明日は午後に若干ですが空き枠がります。
最近、安易に”揉み解す”という言葉が使われています。
そもそも”解し”たのならば、”揉み返し”が起こるはずがない。であるのに、「揉み返しが出ることがあります」というのは論理的に矛盾している。
そもそも揉み返しとは何か、これは侵害刺激に対する防御反応(筋性防御)を主とする筋緊張。
”治癒”に至る機序は次の通り
1.傷害部位、不快部位の認識
2.神経を介した反射的筋緊張の調整
3.内分泌物質の血中放出
4.傷害部位、不快部位を修復するために全身の血流の増加、活性化
5.適切な炎症反応促進
その結果、組織や神経バランスの修復・調整が行われて治るわけです。
対していわゆる揉み返しは逆。過剰筋緊張、内圧の上昇、血管に掛かる圧力上昇、血流阻害、炎症反応の阻害(※炎症に必要な物質は血液を介して運ばれるから)とどう考えても治癒を阻害している。
じゃ、マッサージ、指圧でなどで解れないのか? というとそんなことはない。ただし、上手であればとつく。
そもそも筋緊張などによるコリ(硬結)が解除される仕組みは大きく分けて二つ。
1.異常緊張させる理由がなくなり、自然と解除される。
2.強制的に筋緊張を維持できない状態へと持っていく。
書くまでもないが、理想は1.。だが、現実は2.を提供しているケースが多い。
なぜならば、「患者、顧客? が「強く押してくれ」と言うから」という理由で。
これは患者さん、顧客に対する説明不足が主たる原因なので誰が悪いかは難しい。説明しても聞きたくない人もいるし、単に知らないからそうして欲しいと言ってしまう人もいる。
ただ、共通して、価値を伝えていないことに問題があるとは言えると思います。
その結果、1時間など時間をかけて揉んで、押して、結局、解れていない。疲れているだけ。
じゃ、”解す”にはどうしたらよいのか?
そもそもなぜ、そこにコリができているのか? を逆算して考える必要がある。
例えば、長時間にわたるVDT作業=書類作業やPC操作などによりそれが生じている場合、そもそもの原因は長時間であることと、その姿位に問題がある。
簡単に言うと肩を丸めて、腕を前に出し、前腕を内回しにして掌を下に向ける姿勢を長時間続けているからである。
捻じれが生じているのだから、筋肉は平常に比べて縮んでいる。つまり、内圧が高まり血管に対して圧迫が生じている。エネルギーを供給する血液が運ばれにくくなっているにもかかわらず長時間作業を続けるので、エネルギーを消費しつくした指先は悲鳴を上げる。痛みやしびれなどがそれ。肩も同じ。丸めているということは僧帽筋、三角筋など首から肩にかけての筋肉に対して伸展負荷’(伸ばす刺激)をかけている。腕を支えるために伸展負荷に対して同程度の力で絶えず収縮し続けているのだから、それは疲労するというものだ。もちろんこのケースも内圧が高まり血管を圧迫しているのだから当然エネルギー供給が阻害されて、疲労が蓄積しやすくなる。
このような肩こりを治すのに、マッサージはいらない。
捻じれによる圧迫や伸展負荷による収縮、血液を介したエネルギーと老廃物の交換の阻害など、引き起こしている原因を除去してあげれば揉まずとも、押さずとも簡単に回復する。
本来の施術は、その状態を体に教えてあげるだけでよい。
そもそも人の体は常に最適化しようとしているのだから、認識さえさせることができれば、自ずと最適な状態へと変化しようとする。これを促す機能を治癒力と言ったり、回復力と言ったりするだけのことだ。
とはいえ、さらに進んで蓄積疲労状態になると、楽な状態を忘れ、つらい状態をいつも通りと認識してしまう。などということが良くある。
こうなると調整が必要である。
もちろん、”解したい”のであるから、疲労状態にさらに疲労を重ねるのはさほど意味がないことはもうすでにお分かりいただいたと思う。
じゃ、どうすればよいか。
気づかれないように最適状態=楽な状態へと導けばよい。
つまり、検査→認識→極小刺激→認識→変化のサイクルを繰り返すことである。
なぜ、極小刺激なのかと言えば、刺激すれば刺激するほど印象がぼやけるから。
あれもこれもというのを同時に処理するには相当の能力がいる。
なので、認識→調整→再認識を一つのサイクルとして施術を進めていくのがわかりやすい。
わかりやすいから体が反応し易い。
実に合理的である。
最後に簡単な肩こりの解消法を書いておこう。
1.立位(立った状態)または坐位(座った状態)で両手をだらりとまっすぐに垂らす。
2.両手の親指と小指とを外側にはる(伸ばし)
3.肩が上下動しないように気を付けつつ、てのひら(掌)を外側に向ける。
上手にできると肩が後ろに下がり、巻き肩状態が解消し、胸を張る状態になる。
4.そのまま深呼吸2~3回キープ。
5.戻す。
現代人は腕を内返しにする作業が多いので、そういう作業時に必然的に巻き肩になる。内が市が多いので、自然と掌が体のほうへと向いた姿勢のほうが楽だと勘違いする。日常的に腕全体が内ひねり状態になりやすくなり、肩が前方へと引っ張られて巻き肩状態になりやすい。
この運動は外返し、外ひねり状態を作ることで、肩回りの牽引ストレスを緩めるところに狙いがある。それゆえにポイントは肩を上げないように手先から、手首、前腕、肘、上腕、肩としたから外側へと回していくことで前述の捻じれを自分で解消するという動作であると認識して行うことが大事。
これを長く作業したとき、あるいはちょっとした隙間時間を作ってこまめに行っていると、マッサージ要らずになっていく。
時間が作れたら動画上げても良いかなとは思っているのですが、いかんせん時間が……。
そろそろ移動なので今回はこの辺で
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