例の報道について
どうも、からだのエンジニア & からだの専門家 泰心堂ことはり師、きゅう師 藤井崇次です。
本日はちらっと例の件についてお話ししたいと思います。とはいえ、詳細はしかるべき人たちが明らかにすべきだとは思いますので突っ込みは薄目で。
まず例の件
JIJI.COMのURLを掲載しておいたので、そちらをご覧ください。
そのうえで、ちょっとだけお話をすると
1.肩の違和感が出た時点で医師による確定診断を受けていないこと
※長胸神経麻痺がトレーニングによる損傷が原因でないことを証明できない。
2.長胸神経に対して鍼が接触したことによる神経障害である証拠がないこと
※これははっきり言って難しい。証明しろということ自体が酷だと思われます。神経の損傷痕跡など顕微鏡’(拡大鏡)下で観察できるかどうかでしょう。
3.今回の所見において、外的要因によるものであると言われていて、直ちに「はり治療によって長胸神経麻痺となり、前鋸筋機能障害を引き起こした可能性がある」と繋がれていることに違和感。
長胸神経は頚から前鋸筋にかけて分布しています。その領域に強い圧迫や外傷を受けることによって麻痺が引き起こされるのが長胸神経麻痺。リュックサック症候群、リュックサック麻痺などという言葉があげられることもありますが、重いものを背負っただけで麻痺が生じる可能性もあります。
で、澤村選手はプロ野球選手であり、なおかつ投手です。頚や肩、胸の筋群にかかる負担は一般の人に比べて桁が違います。
ゆえに、トレーニングによる損傷、ピッチングによる損傷が起こる可能性が高い。
トレーニングやピッチングによる損傷の確率>>はり治療によって麻痺が引き起こされる確率
ではないか? と思います。
また経過の文章についてみると、そもそも右肩の違和感発生→はり治療→長引いている→医師による検査→長胸神経麻痺との診断。なので、はり治療→長胸神経麻痺ではなく、右肩の違和感→長胸神経麻痺ですね。
まるで意図的に「はり治療が原因となることはありますか?」と聞いたかのようです。スポーツドクターならば、同じように「トレーニングが原因となることがありますか?」と聞いたのならば「可能性はあります」と自信をもって答えたのではないでしょうか?
ちょっと意図的にはり治療を行ったトレーナーに責任を求めた感じがします。
もちろん、トレーナーとしては選手のオーダーに十分にこたえられなかったという意味では責任があるとは言えます。大変なことですけどね。
そのうえで、実際、はり治療がどの程度かかわった可能性があるかを論じることには意味があると思います。
ただ、はりによる神経損傷がないとは言い切れない程度のものと鍼灸師の間では言われることもあり、このレベルって非常に曖昧。できるのであればもう少し突っ込んで取材して詳細を明らかにしてほしいなと思います。
ちなみに泰心堂ではこういう場合直接的な損傷は起こりえません。なにせ、刺しませんからね。
さて、最後になりましたが、澤村選手の回復と今後の活躍を一ファンとして待っています。
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