質問に答えます その36 帯状疱疹後神経痛のための鍼灸施術

 どうも、からだのエンジニア & からだの専門家 鍼灸師 藤井崇次です。

 普段は、習志野市大久保の泰心堂はりきゅう院の経営者兼施術者をしています。専門は頭痛・めまい、自律神経系の不調による諸症状、不妊状態を含む婦人科系など。平たく言うと何でも屋ですね。ちなみにいわゆるパラメーターが低くて平均的なタイプではなく平均値が異常に高いタイプですね。


 さて、本日のお話は本日というかすでに昨日になってしまいましたが、お客様の質問から。あとはたくさんいただいたメールから題材を選んでお話させていただこうと思います。


 私自身の施術は、正直なところ鍼灸だけにこだわっているのではないので、スキンドライブシステムの概念やクラニアルテクニック(頭蓋骨調整術)ダブルハンドリコイルテクニック(上部頚椎関節調整、DRT認定治療院取得)、そのほか徒手技術系なども必要に応じて組み合わせていたりしますが、今回は鍼灸でのお話をメインとさせていただきます。


 で、今回のお話は帯状疱疹後神経痛というお話ですね。

 ご存知の通り帯状疱疹というのはヘルペスウィルスによる感染症です。詳しい話はwikiなどに譲るとして帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹になったあとその部位を中心とした神経過敏および神経痛が生じることを指します。

 症状は大変つらいのですが、施術自体はとても簡単です。


 たとえばうちの持ちネタでいけば、宮野博隆先生のCSFプラクティスならば、プライマリーブロック→フレキシビリティブロックのベーシックパターンを繰り返すだけでも十分に効果が見込めますし、長谷澄夫先生のクラニアルテクニックを用いるのならば、プレス、相反、肝プレスあたりを組み合わせえ上げれば赤みがすっとその場で引いたりします。

 あとは体が反応して治癒が促進されるのを待つだけ。


 とはいえ、今回は鍼灸ネタなので鍼灸でのお話を書きましょう。


 鍼灸で帯状疱疹後神経痛を何とかする場合、その神経痛が局所=この場合は帯状疱疹を引き起こした部位に限定されるのか、それとも他へ波及しているのかによって若干アプローチが変わりますが、基本は同じです。

 まず最圧痛点を探します。その圧痛点と同じ神経支配領域でより背骨に近い圧痛点を探し、最圧痛点が解除、軽減されるかを確認します。解除、軽減された場合は二つめの圧痛点が調整点として機能するということであり、二つめの圧痛点に対して皮内鍼を固定します。※一つ目の圧痛点(最圧痛点)が調整点になることもあります。

 この手続きを繰り返すだけ。

 もっと、単純に痛みのある所に皮内鍼を固定していくというやり方をする方もいますが、泰心堂では2点間の関係性を重視した方が効果が良いように感じたので、必ず、2点間の確認を行います。

 ちなみに道具ですが、円皮鍼ではなく、皮内鍼です。昨今はその手軽さから円皮鍼、商品名 セイリン パイオネックスやセイリン マイケアパッチなどが使われることが多いようですが、推奨は皮内鍼。これは、日本が誇るメイドインジャパンの鍼灸術で、開発者 赤羽幸兵衛の名は日本の鍼灸師だったら知らぬものはないと思われます。違いは皮膚に対して線、面の刺激を加えるのが皮内鍼で、点状の刺激を与えるのが円皮鍼です。今回は、各神経の支配する領域に対して神経走行に沿った刺激を加えるというのが目的であるため、円皮鍼よりも皮内鍼の方が施術者側のイメージが伝わりやすいので皮内鍼推奨

 しかしながら、ええと泰心堂は千葉県習志野市大久保にあるのですが、この地域で皮内鍼を使っている治療院は1件だけ。はい、泰心堂はりきゅう院のみです。千葉県でも数少ない皮内鍼を使う治療院なんですよね、うち。

 貼るだけの円皮鍼と違って、皮内鍼は方向、角度、深度、下張りの有無など考慮すべきことが多く、施術者側の多くが「めんどくさい」と思っています。ゆえに残念ながら皮内鍼の使い手は減少傾向というよりも絶滅危惧種?

 いっそのこと、患者さんに使い方教えてしまおうかと福島聰先生みたいなことをちらっと考えてしまいました。

 なお、泰心堂こと私、藤井の好みは”9の字”ではなく、”平軸”の9mm。テープは医療用の紙テープ。


 と、専門家向けはここまでで、一般家庭ではどうするか?

 まずは病院、診療所などで診断を受けます。帯状疱疹後神経痛と判断されれば、お灸を使って自宅で治しましょう。

 やり方の基本は同じですが、面倒であれば、最圧痛点、次の圧痛点、……と5~6点を探し、「熱いっ!」と感じるまで市販のお灸をすえるとよいでしょう。だいたい三日連続でお灸据えて一日休みくらいの間隔でお灸すると効果が出やすい。もちろん、水膨れ(火脹れ)などができた場合はその部位は避けてお灸してくださいね。

 注意事項としては、お灸は熱源ですので火傷します。というよりも火傷を利用した回復手段なので大きな火傷をしないように注意します。具体的には「熱い!」と感じたらさっさととる。再利用しない。お灸をしている間にじたばた動かないなど。

 あとは治癒反応を引き起こす手段であり、治癒反応には体力と栄養を使いますので、一つはやりすぎ注意。一つはしっかりと食事をとって休むこと。前者を具体的に言うのならば10か所、20か所と痛みのあるすべてにお灸をすえるのではなく、そのうちの5~6か所にしっかりとお灸をすえていくこと。疲れたな、いっぱいお灸したなと思ったらさっさとやめること。後者は食事する気力がなくてもしっかりとカロリーと栄養を取ること、食べる気が全然怒らない場合はカロリーメイトのゼリー飲料などカロリーと栄養をとれる補助食品で良いから摂取することなどがあげられます。


 軽度のものであればわざわざ鍼灸院などに通わなくとも自宅での施灸で良くなりますが、やり方がわからない、具体的なやり方を支持してほしいというのであれば近くの鍼灸院へご相談ください。


 とりあえず今回はこの辺で。

追伸:久しぶりに寝落ちして、朝続きを書きました。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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