こまつ式高麗手指鍼術~現場を支える奥の手~
どうも、からだのエンジニア 藤井崇次です。
土曜日の昼下がり如何お過ごしでしょうか? 健やかなれば幸いに思います。
今回は私こと泰心堂、泰心堂はりきゅう院の奥の手の話をしましょう。奥の手というとだいたい一つ、二つかな? とか思わるのですが私、技術マニアなものでそんなのまでやるの? なんて技術を持っていたりします。ただ、そういうのは個別症状ようだったりするので、汎用に使える、ある意味で便利な困ったときの奥の手のお話をしようと思います。
1970年代後半、おとなりの韓国にて生まれた特殊な鍼術があります。高麗手指鍼術、現在は瑞金療法という名で広く韓国国内で行われている療法です。”療法”なのは、韓国国内における鍼灸と韓医師の兼ね合いがあるので”療法”と表現しときます。
創始者の名前は柳泰祐(ユ・テウ)。その弟子であり、日本、関東における第一人者 石神井駅そばのこまつ鍼灸院 小松隆央先生に学び、千葉県で初めて、こまつ式を名乗ることを許されました。なお、”こまつ式複合治療”については私は受講していませんので、どうしても希望の方は同門のお弟子さんの鍼灸院を紹介させていただいております。
写真は修了証の授与。右が小松隆央先生。
もともとのきっかけは私自身の喘息と腰痛でした。転職のきっかけでもある喘息を治すというのが最終的な目標でしたが、まずわかりやすい腰痛からと取り組みを始めたのが鍼灸学校入学以来直ぐです。学校の恩師らはもちろん学外の先輩方の治療院や勉強会、講習にと顔を出させていただいたりして、自分で何とかできる方法を探していました。
あるとき母校の図書室兼資料室で処方集のようなものを調べているときにふと、引っかかることがありました。そのページには、腰腿点というツボが紹介されていました。これは手の甲の中手骨という骨といわゆる手根骨の間にあるツボです。使用方法としてメジャーなのがぎっくり腰の時に使う方法です。
「なぜ? 腰が痛いのに手の甲?」と疑問を持ちながらも実験していたら、数週間後すっかりと腰の痛みが取れました。体を鍛えていたこともあり回復力自体もかなり強いとは思っていましたが、予想外にあっさり。それが”手”でからだを変化させるという鍼灸術を考案するきっかけになりました。
すると時が満ちたかのように目の前に一冊の本(雑誌)が棚から落ちてきました。これが私が高麗手指鍼術の存在を知った瞬間でした。まるで漫画かよ!? とツッコミを入れても多分良いシーンですよね。実話ですけど。
その後、本を取り寄せ読み解き、どう使えるのか自ら検証実験代わりに試していたのですが、専用の道具がなく短鍼で代用なんてことをしていたのでかなり痛みが激しく、これ人に施術できるのか? と疑問に思いました。
その後、個人的には使うもののお客さまには秘密。お灸による自宅灸の際にのみお伝えしているという状態でした。
これもまた出会いなのですが、たまたま小松先生のことを知り、講座を知り、後日申し込んだらタイミングよく受講で来たという。偶然の連続により小松先生のところで学ぶことになりました。専用の道具を手に入れ、実施に受講生同士で練習してみたところ、痛みが非常に少ないことに驚きました。
それ以来、鍼灸院でもお勧めできる鍼灸術となりました。
この技法は内科系に強く、頚椎や痛み疾患など外科系にも対応できます。
利点は
1.服を着たまま、無理のない姿勢でできる
2.手のひらのみで全身調整と部分の調整ができる
3.即効性が高く、持続力も高い
4.手のひらだけなので、危険部位がない
5.反射療法なので、体が反応できる体力がないときは、反応しない。
6.相応点(からだと相対応する部位)を利用することで、いかなる状態でも対処ができる。
欠点
1.手指は敏感な部位なので若干の痛みを伴うことがある
2.筋疲労や筋断裂、筋の過緊張にはあまり向かない。
※肩こりや多くの腰痛。神経痛系は効果大。
3.明確な強刺激技法を除いて、患者の体質による負担が少ない
こまつ式の大きな特徴
1.自在な五治処方、八性穴の組み合わせ運用(全身調整に相当)
2.現在主となる症状に集中するなど情報の取捨選択が明確
3.FTなど生体反射・筋反射を利用した症状を微細な調整法
4.一点多鍼、囲刺、線状刺、二度刺し、反転療法など独自の刺方
など、独自性が高く高い有効性のある技法を学び臨床へ応用。
症例としては、先にあげたアトピー性皮膚炎のほか、頭痛、偏頭痛、急激な腹痛、喘息、上気道炎、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、妊娠腎炎、妊娠悪阻、不妊(男女共)、子宮筋腫、骨折後の後療、原因不明の痛み疾患、耳鳴り、卵巣嚢腫、子宮筋腫、頚椎症、頸椎ヘルニア、肥満、冷え性、帯状疱疹(補助的に使用。)などなど
泰心堂では、「どこ行ってもよくならなかった」など悩みが特に深く、適応症上の場合ご案内ししています。
講習については、こまつ鍼灸院へお問い合わせください。
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