エネルギー調整術の使い方
どうも、からだのエンジニア 鍼灸師 藤井崇次です。
ええと鍼灸も実はエネルギー調整術なのです。というお話を前回しました。だからと言って、なんでもかんでも肯定するのはそれは早計というものです。
大事なのは定義=その人の立ち位置と用法とその結果です。
よくある”ネタ”で両掌の間に”気”を感じるみたいなネタがありますが、あれ手の触圧覚や温痛覚を利用して両手の間に生じた気流の変化や赤外線を捉えているだけのことです。目をつぶるのは視覚を封じることにより触角を鋭敏にする目的ですね。この辺の話は高校までの教養できっちりと説明がつきます。
問題は、その”ネタ”を何のために提示したのか? です。それには定義と用法、そしてそれによって求められる結果の観察という行為が非常に大事です。
さて、泰心堂式の施術においては、そういう”ネタ”はつまらないので行いません。単純に施術上必要な情報収集と状況確認のための指標=判断材料の確認をしていくだけです。
指標を取るというこういは要は事前検査で自分の体を知ろう! という側面と施術に必要な場合分け条件を見つけようという側面と、施術後の変化を比べてびっくりしてもらおうという下心を詰め込んだ現実的な行為ということですね。
泰心堂の場合は、頭部(脳脊髄液)、頚部(神経伝達の要所)、経絡(蔵府症状と経絡症状)の三つの段階でそれぞれの指標を取っていきます。こまごまとした論理はあるのですが要は、三つの段階における”流れ”がどうなっているかを診ているわけです。
泰心堂の最終メジャー=最大の要因は頭部(脳脊髄液)の流れ。頭部の拡大状況やそれにともなう関節の可動域の制限、筋反射の程度などから蓄積疲労の有無と程度を類推し、脳脊髄液循環状態(脳機能低下状態)を推定し、循環を取り戻す様に仕向ける。(クラニアルテクニック、CSFプラクティスなど脳脊髄液調整術を用いる。)それにより脳機能低下状態を解消し、からだの機能の正常化を図るというのが施術の一番の目的となります。
つまり、脳を中心としたエネルギーの調整を行うわけですね。
二つ目の調整ポイントとして挙げているのが上部頚椎。脳と体幹、四肢とをつなぐ神経伝達上の重要ポイントです。ここにズレや歪みが生じているとポイントとなる部位を圧迫したときに痛みが出やすい。この痛みの出方の左右差と触った感じの見掛け上のゆがみ方を勘案して調整を行います。当然ですが、急制動を伴うスラストなどの禁止行為は使いません。泰心堂ではDRT:ダブルハンドリコイルテクニックというカイロプラクティックの技術を使うことで安全に間接的に調整を行います。
これを行うことで頸椎レベルでのエネルギーの流れの調整を行います。
三つめの調整ポイントは経絡症状。※経絡病証とも。症状と圧診点などを利用して、どの蔵府経絡に問題が生じているかあを見定め、経絡、経穴を利用して均衡を図ります。当然ですが、気血という生命エネルギーのバランスを中心に考えているのでこれもまたエネルギーの調整になります。
泰心堂の場合は、どのレベルで問題が生じているか、どのレベルのエネルギーの流れが滞っているかを分析し、レベルに応じた処置を行うことで施術効果の向上を担っているわけですね。
ざっくりとした説明ではありますが、エネルギーの調整として体を診た場合、ロジックが一貫していて、指標が設定され、判断基準が明確であり、施術と結果の評価がはっきりしていることが大事ということです。それが確保されているのであれば、エネルギー調整術という名称を使ったからと言って行為までが怪しくなるわけではありません。
逆に、邪気を抜くみたいな曖昧な表現をしている場合は、定義がどうなっているかを今一度検討したほうが良いように思います。
※東洋医学における邪気は流れが正方向でないという意味を超えない。ならば施術方針における”去邪扶正”とは状態の変化を指す言葉であり、邪気状態を去り、正気の状態になることを扶けるという意味であり、邪気を取り去るではないことになります。
0コメント