泰心堂式ゾーン&ライン(経絡)療法の開発秘話 その9 疲れない経絡調整術
どうも、からだのエンジニア 鍼灸師&整体師 藤井崇次です。
本日のお話は”疲れない施術”の続き。
疲れないことは大きなメリットがあります。そういう意味で知人の熊谷剛先生の『寝るだけ整体』はある意味で理想的な施術だなと思います。
ぶっちゃけ話、私はいくつかの治療院、施術所、鍼灸院などで過去に何度かお世話になっています。ええ、臨時ヘルプだったり、短期アルバイトだったり、講習だったり、私的な勉強会だったり、まあいろいろ。そのときの予約状況や意図が合致したとき限定ですが。
そこでさまざまなやり方を見せてもらいました。
基本的に私を含めて業界トップクラスの技術者って忙しいので、どうしても多くの患者さんの対応をしたいと考えたら、短時間施術にせざるを得ないという事情があります。
また、技量が十分なのでポイントを抑えた施術で十分に効果が出るので、敢えてやり過ぎないようにポイントを絞り込む必要性があって結果的に短時間施術になったりしています。
なので、業界自体の流れは、短時間、そのために相対的に高単価というのが基本の流れになります。・・・・・・というよりもはり師、きゅう師などは師業、国家資格にも関わらず単価が安すぎたという部分があるんですけどね。時間外に行う社内勉強会(強制出席)などを含めたら、時給計算で750円切るとかざらでしたし。もう、最低賃金下回っていますよね。※仕事時間じゃありませんという言い訳がまかり通っていましたから。
昨今は価格が二極化して、うちのように高単価、短時間施術、高い即効性&持続性、高い専門性というところと、安く、長く、高頻度リピートのところがあります。
アルバイト先として考えると、後者で歩合制で、集客力が高いところだと普通に時給仕事で働くよりも高収入になったりしますが、それはそれで歩合制ならではの悩みがあるそうです。
いずれにしても業界のトップ技術者は、短時間施術で余計な手続きは入れない、必要なことだけをしっかりと行うという方向へと意識を向けています。
ここで不思議なのは接骨院、整骨院系。鍼灸院よりもこの二極化が凄まじい。
私の友人たちは、そうそうに保健診療を放棄して、自費施術で短時間、高単価、高効果の施術へと向かっています。施術時間も従来型の電気療法をして、温めて、手技というなのマッサージもどきをして合計約1時間コース、数百円ではなく、業界でも定評のあるカイロプラクティックの技術や整体技術、頭蓋骨調整などを導入して20分1万円とかに変更して成功しています。
一方で、1時間の呪縛にとらわれているところも数多く。
保健診療から自費診療へと移行する場合のコツを某コンサルタントが呑み会の席で話してくださいましたが、ポイントは
1.今までと違うことをしっかりと認識させる
2.前後の検査を見てわかる、動かしてわかる、聞いてわかるの状態を作る
3.前後がはっきりとわかる施術を入れる。※定型化、マニュアル化は大事。施術者の誰に聞いても同じ答えが返ってくるようなそういう品質を作る。
4.特別な施術だから、短時間で高い効果、だから高単価という教育をする。
5.切り替え期間(既存の顧客の教育期間)を設けて、ずばっと切り替える
だそうですね。
なるほど~と正直思いました。泰心堂は最初から自費の鍼灸院なので、このへんの問題はありませんが、駆け出しのころ、しっかりと臨床経験をつんだころと実は値上げをさせていただいています。駆け出しのころはとにかく数をこなすことが大事なのでそういう料金設定で行っていましたが、だんだんと一日の見られる(当時の)限界が見えるようになってきたので、顧客の皆様に説明して、消費税が上がるタイミングで思い切って値上げさせていただきました。
やはり彼の言っていたとおり、何割かは価格帯が合わなくなったので来院しなくなりましたが、割安と思ってくれた方はずっと継続して来ていただいています。結果的に顧客数は減ったけど、売上は上がりました。データを見てみるとそういった所謂VIP顧客の皆様が売上の大半を作っているというパレート最適の話はある程度の妥当性があると思いました。
さて、話を戻しましょう。疲れない経絡調整術についてですが、泰心堂式は本当に施術者が疲れません。中腰姿勢もないですし、力押しは一切ない。疲れるとしたら頭くらい。
泰心堂式の経絡調整術は五行論ではなく、三才論をメインに再構築しているので、六行論と高麗手指鍼術の三一体質論で考えます。つまり左の病的体質と右の病的体質、複合体質を分けて考えるということですね。
施術に使う経絡も基本的に関係性の深い二経の組み合わせが六つで均衡をとるように構成しています。陽経三組、陰経三組の組み合わせで均衡をとるように施術をしていくわけですね。
使う鍼は寸3-4番(直径0.22mm)を主として使うことで、刺鍼のし易さと刺激量の調整のし易さを両立させているので、刺激箇所は12~16箇所程度(骨格調整鍼を含む)。症状により多少増減しますが最少刺激は1本、1箇所と言うこともあります。
これ全身のバランスが変わり、症状に影響を与えるので、本当にわずかな時間で施術することができます。細い鍼だと、質量×本数×時間=刺激量と考えたとき、質量が少ないので、本数を増やすか、時間を掛けるかしないと想定した刺激量に届かない上に、本数を増やせば誤差が増えます。増やさなければ時間的なコストが増大します。数多くの患者をみてきた結果、4~5番あたりが刺激量としてちょうどよいように思います。
刺し方は基本的に単刺。経絡の流れに応じた迎随の補寫はあまり行いません。長年の研究の結果、補寫方向逆転で刺鍼しても想定どおりの効果が出ることも多く、補寫は体の選択によるものという仮説を得ています。そのため、最も基本の直刺を行うのが最も効率が良いと考えます。ただし、刺鍼部位が点ではなく線、面として反応している場合は、線、面に対して刺激をするほうが効率がよいので斜刺、または横刺を鍼が進みやすい方向かつ安全な方向へと行います。
なので極論言えば、症状が左右のいずれの病的体質の問題か、あるいは複合的な病的体質を作っているのかを判断(複数の判断基準を用意)でき、どの組み合わせの均衡をとればよいか判断(選経、選穴のルール、判断基準を用意)がつきさえすれば、鍼管に入れて鍼柄を叩くだけで刺入できる管鍼法を採用すれば経験の浅い鍼灸師でも効果が出せるという形に再構成されているということですね。
あとはルールに従って、判断基準の変化を確認して抜くだけなので、疲れません。特殊な技も使えると良いですが、使えなくとも何とかなりますので、疲れません。
疲れないので、短時間施術なので、数多くのお客様をみることができます。
疲れない短時間施術なので、数多くのお客様と症状改善を目指すことができます。
短時間、即効性、持続性の高い施術なので、短い時間しか取れなくても施術を受けることができます。
短時間、即効性、持続性が高い施術なので、前後のからだの変化がはっきりと出て、未来に期待が持てます。
短時間、即効性、持続性が高い施術なので、無理なく施術間隔をすり合わせることができます。
短時間、高単価の施術ですが、即効性、持続性が高いので、施術回数が減り、相対的に、割安になります。
短時間、高単価の施術なので、必要な人だけを相手にすることができます。
短時間、高単価施術で、高い施術効果を出せるのなら、それはメリットが非常に大きい。
そのメリットは、経営者、施術者という側ではなく、何よりもお客様側のメリットが数多く発生することをしっかりと認識する必要があると思います。
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