泰心堂式ゾーン&ライン(経絡)療法の開発秘話 その7 Zero-Resetのための再構成
どうも、からだのエンジニア 鍼灸師&整体師 藤井崇次です。
実は、Zero-Resetの発想は取ってもシンプルです。それは本来の経絡治療の定義がとてもシンプルだから。シンプルなものを複雑化して、難しくして、有難味を演出するよりも、できるだけシンプルに、即効性と持続性を兼ね備えた実用的な技へと再構成できないか? というのがそもそもの発想です・
前回のお話。経絡治療の本来の定義と現在の経絡治療の形に納得がいかなかったので、独自形式の経絡調整術を模索した。
はい、では今回のお話。
Zero-Resetという名称の通り、Zero-Positon=中庸状態へとまずはりセットを掛けようというのがそもそもの発想。利用したのは五行論ではなく、陰陽論と三才論、そして八卦経絡図(伏義八卦)。
八卦経絡図のもとが伏義八卦なのはたまたま、それを見ていたから。
三才論の発想自体は木戸正雄先生の『天・地・人 治療鍼灸医術の根本的治療システム』を過去に読んでいたのと、恩師の一人西岡敏子先生の脈診の授業のときにお話しいただいた一言から。※ただし本書の内容とは関係がありません。
要点だけをお話すると、陽の蔵府、中庸の蔵府、陰の蔵府と陽・中庸・陰の三才で蔵府経絡の配当を再度考え直してみたということ、
そして陽の蔵府1・2⇔陰の蔵府2・1、中庸の蔵府⇔中庸の蔵府でバランスを取れば、体の全体のバランスがとれるのではないか?と考えました。
異論があるのは重々承知で、ざっくりと
陽性蔵府:肺(大腸)、心(小腸)
中庸性蔵府:脾(胃)、心包(三焦)
陰性蔵府:腎(膀胱)、肝(胆)。
肺、心が陽性なのは拡散性(拡散しながらも収束するのでめぐる)と移動性問題。
腎、肝を陰性としたのは収束性の問題。肝を陽性ではなく陰性にしたのは収束して発動であるから。肝は血を蔵すとあるようにまずは収束するのがその機能であるから。収束性はまず陰性の性質であり、のちに拡散するものであるから。
脾、心包を中庸性に配当したのは、脾が五行であり土であり、変化と安定の両極を司ることが一つ。また泰心堂での心包の扱いが、心を包む=心筋と血管というイメージのもと使われていることもあり、心臓は確かに陽性部位にあるが、血管と考えると全身を巡っており陽性部位、陰性部位に分ける意味がないので中庸性に入れている。また三焦=リンパの考え方も若干入っている影響もある。
あと残ったのは全陽、全陰である督脈と任脈。これの扱いはまだ決めかねている。
施術自体は円環配当をして対面でバランスを取る。ここの発想自体は八卦図から。
陽極・督脈
陽性:肺(大腸) 心(小腸)
中庸:脾(胃) 心包(三焦)
陰性:腎(膀胱) 肝(胆)
陰極:任脈
臨床上、心(君火)と心包(相火)とを別に扱うことを決めたので、従来型の経絡治療の枠からはみ出しました。その結果、こういう再定義をして、検証を行うことになったわけです。
なお、三才論での再構成を選んだ理由も、八卦で考えた再構成を考えていた人が別にいたからという理由と純粋な八卦経絡配当を考えると、陰陽の蔵府の組み合わせだけでなく、蔵蔵、府府の組み合わせなどが出てきてややこしくなったので、もっとずばっとわかりやすく! とまずはシンプルな組み合わせ似てみようというずぼら発想だったりします。
今日はこの辺で
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