泰心堂式ゾーン&ライン(経絡)療法の開発秘話 その2
おはようございます、からだのエンジニア 藤井崇次です。
昨日は初雪。何人かの足の悪いお客様のところへ往診に行く予定にしておいて良かったと心から思いました。なお、往診のご依頼は原則的にうちの顧客(一見さんでないこと、顧客情報がないので施術道具の選択が難しいため、住所を間違う可能性があるため)であること、そして近くであることを条件にしています。半日がかり、一日がかりの案件になりますとその分、施術料&交通費などが高額になりますので、どうしても私 泰心堂でという方以外は、お近くの鍼灸院にお声がけいただくか、ご家族などに当院まで連れてきてもらうかしてください。※ちなみに最高額は旅費宿泊費、滞在費含めて数十万の案件をいただいたことも過去にあります。
さて、本日は開発秘話その2。
さて、今回のお話は泰心堂のコンセプトがかかわってくるお話なので、先に泰心堂の三つのコンセプトをお話しておきましょう。
泰心堂のコンセプトは、最小限の刺激、最大効果、最短時間という三つ。
簡単にお話すると、
○最小限の刺激:体の負担を極力減らし、自分で治る力を損なわない。
※刺激量=圧力×時間 圧力=鍼のサイズと重量、刺入深度と押しのける量、使用する本数と箇所などで決まる。刺激量が増えれば増えるほど施術によるダメージが増える。施術によるダメージに対する反射として治癒力が発揮されるので、ダメージは極力少ないほうが治癒に使う力に余りがで、それが症状の改善へと振り分けられると考えられます。
○最大効果:一回の刺激量の上限は個々人で決まっています。体力、反応性、親和性などで同じ刺激をしていたとしても、ある人は足りず、ある人は十分、ある人は過剰となりえます。なので手数、手順を重ねればよいというものではなく、手数は減らし、十分な反応を引き出すことが大事と考えます。
○最短時間:身体の調整は楽器の演奏前の調律に似ていて、時間を掛ければよいというものではなく、適切な状態へと調律されれば十分。なので熟練の音楽家のように手順を最適化し、判断基準を明確にすることで早くし、必要な道具を的確に選ぶことで全体を最適化することが理想。泰心堂もそれは同じで体の調律という一貫した考え方の元、無駄な手順を省き、必要な判断基準を選び、最適な道具を選ぶことで短時間で手早く、確実に調節するということを理想としています。
ざっくりとまとめると、泰心堂では短時間施術であることが一つの理想ということになります。
さてコンセプトのお話をしたうえで、前回の続きになります。
初期の100% 鍼灸理論で構成された鍼灸術で、施術効果にバラつきが出てきたというお話をしました。これはお客様の多様化というお話も関係あるのですが、今までのままでは対応できないお客様が増え出したと理解いただければよいかと思います。
今までのやり方は脈診を重視しないという部分は一般的な鍼灸術とは異なりますが、外形としては一般的な鍼灸術の範疇に収まっていたと思います。なので私は一般ではなく、特殊な鍼灸術が必要であると考えました。
はい、技術偏重型の典型的な思考パターンですね。結果的には良かったので問題ないのですが、反省は必要でしょう。
では、何が必要か?
通常であれば○○先生のところで習う、○○学会の傘下の講習に参加というのが良くあるパターンです。ですが、その当たりのことは鍼灸学校の学生時代にある程度経験済み。なので経験と現状を突き合わせて見て、本当に今必要なものは何かを検討することが第一でした。
そこでテスト方法から原因を特定できないか? と考えました。
すでに鍼術の四診=望聞問切はスケールとして採用していましたし、顔相学や心理学なども学んでしましたので、そちらのスケールでわからないのなら別の判断基準が必要だろうと考えました。
そこで私がまず向かったのは本屋さん。大型の専門書籍も扱っている本屋さん、丸善、ジュンク堂などから古書店までを時間があるときに巡り、ざっとタイトルを頭に入れていきます。そして引っかかったものを購入して読んでみるということをしました。
私は本を読むことに対して抵抗がまったくなく、むしろ活字マニア、あるいは活字中毒的なところがあり、もちろんマニア必携スキルの速読は自然と取得済み。東洋医学、現代医学のみならず、一般人向けのダイエットから、健康ストレッチ、健康関係の雑誌まで読み込みました。
そこでふと思いついたのが、キネシオロジー的な発想と鍼灸の組み合わせです
キネシオロジーとはなにか?と大上段に解説するのは非常に難しく、純粋なキネシオロジストではない私が行うのも何か違う気がしますので、詳細は日本キネシオロジー総合学院の関係者やWikipediaなどに譲りたいと思います。
もともと鍼灸とキネシオロジーの関係性は深いので、診断のツールとして取り入れるのはさほど難しいことではありませんし、すでに先人が導入しています。はい、入江式FTなどがそうですね。向野義人先生のM-Testもある意味ではキネシオロジー的テストと言えるかもしれません。医学会では大村先生のバイデジタルO-ringテストなども実はキネシオロジー派生の技術です。
ただ、キネシオロジーのテスト方法は応用範囲が広く、単に筋肉に力が入らないことを調べているのではなく、体の不調に対応した筋反射テストで部位を特定したり、あるいはテストと質問法を組み合わせることにより表層意識、あるいは深層意識の問題をテスト結果として反映させたりと筋力テストとは異なる部分があります。どこまで使うは常に考える必要があります。
私 泰心堂こと藤井は何をしたかというと、
1.筋反射テストと質問法を利用して、障害部位のスクリーニング(篩分け)
2.さらに筋反射テストと経絡刺激を組み合わせて、改善法の模索
3.筋反射テストと関連部位を利用して、障害部位、改善法のテスト、鍼灸術的視点からの考察
という過程を経ました。
その一つの結論として、体液循環(気、血、脳脊髄液調整)不良、自律神経の乱れ、内蔵(内臓)機能の低下、重心のズレなどが検出されました。
それらは、
1.脳脊髄液の循環不全(脳機能、内臓機能低下)
2.上部頸椎のズレ(脳神経伝達システムの不良、歪みの発生と体軸の乱れ、重心の乱れ)
3.経絡の状態異常(気血水など東洋医学の概念から診る身体バランスの崩れ、血行不良、内蔵機能低下)
の三つの問題へと集約されました。
当時の私はこれらを初期型のゾーン&ライン療法で何とかしようと考えていたのですが、すでに数万件の施術経験と自分自身のセルフケアに使っていた妙法のからヒントを得、ある選択をすることにしました。
その3に続く
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