泰心堂式ゾーン&ライン(経絡)療法の開発秘話 その1
どうも、からだのエンジニア 鍼灸師 藤井崇次です。
本日二つ目のお話は、開発秘話のお話。順を追ってはお話したいと思います。
まず初期のゾーン&ライン療法は100%鍼灸理論で構成されています。ただ、鍼灸師の行う鍼灸術としてごく当たり前の方法論かというと実は異なります。
正直な感想として、純粋な鍼灸師の先生方と鍼灸師+○○、あるいは整体やカイロプラクティックを学んでアプライドキネシオロジーなどから鍼灸理論に目を向けた先生方とでは鍼灸理論に対する柔軟性に差があるように感じています。
たとえば脈診ですが、さも自分のやり方が正しいかのように脈診を強調される先生が多数いらっしゃいますが、頻湖脈学派と六部定位脈診派では、肝ノ蔵と脾ノ蔵とが逆転していますし、心包←→命門としている流派もあります。人迎気口脈診も流派によってやり方が異なりますし、三部九候脈診に至ってはどれが原型なのかも不明です。
何よりも、脈診にはそのやり方の都合上、客観性はなく、あくまでも便利なツールに過ぎません。確かに熟練の鍼灸師の先生方は脈を診て症状を言い当てているようにも見えます。確かに熱が上がっていれば脈は早くなるし、熱は体積を増加させます。ならば数脈×浮脈 → 熱が出ている可能性(反対に強い冷えが生じている)と診ることは論理展開としてありです。が、そういう先生方は別に手首を掴んで占いのように当てているわけではなく、脈を診ながら取れるあらゆる情報と今までの膨大な臨床経験から似たタイプを抽出、比較して、目の前の状況を紐解いているのであって、脈を基準にしているわけではありません。
が、これは鍼灸施術をするには膨大な経験を積んでから、RDB(Relational Data Base)を構成し、適切な検索ツールを用意してからという現実的でない条件が付きつけられます。ましてや施術経験を積むには施術しなければならないという矛盾。
確かに数十年後を見据えたとき、脈診を使えるレベルの診断基準に鍛え上げるというのは鍼灸師の様式美の一つとしては必須だと思いますが、今、目の前に患者がいて、「10年後に来てください」とは言えない。
なので鍼灸学校の学生のころからずっと、曖昧な脈診に頼らない鍼灸法を確立できないか? と常々考え、試験を行ってきました。
まず最初に根拠としたのが、経絡病証と経筋病。
○経絡病証とは、経絡に所属する特有な病気があるという考え方。主として内蔵疾患、自律神経系の不調を対象。病名、症状から治療する経絡を割り出す方法。
○経筋病とは、経絡と筋肉の関連性を利用して治療するという考え方。主として筋痛、神経痛などの痛み疾患が対象。痛みのある部位から、治療する経絡を割り出す方法。
これらを陰陽論、三才、蔵府論などを利用してフローチャートを構成して検証して出来上がったのが初期の泰心堂式の鍼灸術。
あくまでも私が提案するのは効き目の短い対処療法ではなく、再発し難いようにする根本療法。
それは原因にアプローチしないと、再発しやすいから、病の根元から立て直すことが大事。
具体的な治療方針は、頭痛の種類と痛みの部分とを鑑みて問題が起こっているゾーンを特定、ゾーンと関連するライン(経絡)上の反応点に法則に従って鍼を置いていくというもの。
初期のお客様はこれで十分に対応ができていた。
それからさらに3年がたち、徐々にこちらの予想通りのスケジュールにのらないお客様が増え始めました。経絡の調整はしっかりと調整できていても痛みが減っていない、あるいは軽減の幅が小さい、あるいはいつもに比べて時間がかかるなど。あるいは複合症状。
いったい何が原因か?
この原因の特定と改善に多いに役に立ったのが、カイロプラクティックの原理原則とそこから派生したキネシオロジーのテスト法でした。
次回へと続きます。
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