すっきりとしない頭痛とクラニアルテクニック
どうも、からだのエンジニア 鍼灸師 藤井崇次です。
占い関係の話が続いてしまいましたが、本職は鍼灸師。
今回は、Zero-Resetとクラニアルテクニックの融合例。
30代 女性 デスクワーク中心 乾燥肌、一日の飲水量ペットボトル500ml換算で2本分ほど。片頭痛もち。ストレスがたまってくるとずきずき痛む。
生活指導の話からすると、この方、お酒大好きな方で、毎日それなりに飲んでいるそうです。別にお酒のむなとは言いませんが、たまには肝臓休める日を作った方がおいしく飲めますよと指導しておきました。お酒を飲まれる方はアルコール分解の都合上肝の蔵に負担がかかり、内臓でも肝臓に負担がかかります。で、この”肝之蔵”、”肝之蔵之気”の性質は”曲直”。易の小成卦でいうと”震雷”(上から陰、陰、陽)で構成される卦。陽気立ち上る、遮るものなしなので、動の象徴ですね。時間にして朝。負担がかかりすぎると、朝が弱くなったり、血の巡りや気の巡りが”動きにくい”状態になるので疲れやすくなります。また、肝は筋を主ると良い、筋が働かなくなるので、勘も働かなくなります。当然仕事の能率も下がりますし、能率が下がると余裕がなくなり、周りにも自分にもつらく当たりがち。そうすると余計にストレスをため込むことになります。
こういう方に起こりやすい頭痛のタイプは、側頭部痛(足の少陽胆経、肝の表裏関係、手の少陽三焦経 肝の対偶)、もしくは頭頂部痛(足の厥陰肝経 自経、督脈)のどちらか。
この方は、現在ずきずきと痛む活動性の右側頭部痛。三一体質は左右陰実証。活動性の疾患なので実証を中心に考える。少陽面を走行する胆経、三焦経が施術候補になるが、経絡治療の原則からすると、胆経(実)、三焦経(虚)になりやすい。痛み疾患でもあるので、こまつ式高麗手指鍼術の処方で考えるのならば、腎正方を基本に、胆・膀胱勝方を組み合わせる。あとは中指の指先の側面の相応点に多鍼もしくは銀鋒を15分ほど貼付。
ただ、この方は身体の鍼と整体とを希望だったので、まずはZero-Resetの基本に基づき、腎肝両虚に対する原穴への刺激、そのうえで胆経のゲキ穴への刺鍼。側頭筋ががちがちに固まっているので3寸8番を皮下に横刺。そのまま15分ほど。
その後、うつ伏せで、頚部、肩背部、腰部に基本配穴。10分。
仰向けに戻り頭痛の程度を確認したのちクラニアルテクニック(元ネタは長谷澄夫先生のクラニアルテクニック)。FBプレスから始め、後頭部、側頭部の調整をして終了。
施術前にとっておいたVirtual Analog Scale(VAS)の変化を確認し終了(施術前VAS10 →VAS2)。※VASとは1㎝間隔10㎝以上のスケールに痛みの程度を1~10の段階でどの程度か印をつけてもらい、条件終了後に再度、どの程度か印をつけて変化を見る感覚的痛み指標。
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