ダイエットのコツ
どうも、からだのエンジニア 鍼灸師 藤井崇次です。
本日、敬老の日は本来ならば休診なのですが、顧客の要求に答えて施術予定です。ただし、予定があるので10時半に来れるなら、かつ、お一人様までってところですね。
ええとよく聞かれる質問の一つ、鍼灸でダイエットできますか?
う~む、答えるのが難しい質問ですね。
まずはダイエットの基本からお話しましょう。
1.俗に言う日本式ダイエットには二つ方針がある。
一.食事制限:カロリー制限、ローカーボ
二.運動療法:有酸素運動(ジョギングなどが有名どころ)
ただ、どちらも続きにくいし、効率が悪い。よく一般の方がいう食事制限はただの偏食であることが多い。有酸素運動も確かに効果はあるが、筋力と体型、重量、運動負荷があっていなければ筋関節を痛めて長期離脱という未来が目に見えている。
2.ライザップが評価される理由
ダイエット業界で最近話題のライザップ。株価は微妙なスタートでしたね。まあ、それはともかくライザップさんが受けた理由
○結果にコミット → 目標をしっかりとたて、妥当な計画としっかりとした筋トレ指導、食事指導。
○トレーナーという他人が管理、支援することでさぼり癖を封殺
○正しい筋トレと各種マシンのサポートによる低負荷運動から徐々に強度を上げていくトレーニング
○何よりも、高額であること。
ある意味で、結果を出すしかない状態に自分で追い込んでいるわけですね。そこでプロ?トレーナーたちのサポートを受けることで障害の発生を予防、目標達成のためのカウンセリング、正しい筋トレをすることで想定通りの筋肉がつくことの喜び体験などを通して自己実現していくという一件、「プロにお任せします」的に見えながらも「自分で自分にこれだけのお金を払ったのだから、やるしかない」という強烈な背水の陣の気分で自己投資をしているというある種の矛盾。
そしてその成功体験ですね。
確かに、人間、無料の情報って無料だから~と油断して、なかなか活用しませんしね。
ちなみにですが、以前私の投稿していたブログのセルフケアをして喘息が治ったと報告をくれた方や激しい腰痛から脱却しましたという方、不眠がちだったのが寝られるようになりました。胃腸が緩かったおが最近調子よいですなどという報告をくれた方もいますが、そんな方はごく少数です。
でも1000円でもお金を払った人は、かなりの人がしばらくは継続してくれます。私は以前、鍼灸院の施術活動と並行して、高麗手指鍼術を使ったセルフケアの講演、講習、指導などを累計で1000名以上行いました。
無料で行った方は話題の旬が過ぎるまで。早ければ2~3日、長くても3週間もすれば飽きてやらなくなります。
無料且つ私の個人的な知己で接触頻度が高い方は、私とあっている分、ああそういえばアレって感じで思い出しては繰り返すということをします。
有料(少額)で行った人は約3割人が1~2ヶ月続けてくれます。1割が習慣化して継続してくれます。
対価を払うということはある意味で覚悟を決めるということで行動に移るきっかけになりえます。そしてそれが印象深い(高い、衝撃的)ものであるほど継続する動機づけになりやすい。要はやめようとちらっと思ったときに、「でも、○○だったから」の○○という理由になりやすいのです。
そうは言っても、○十万円なんてダイエットに払えない。
多くの人がそうだと思います。なのでどうすれば痩せやすいのかというお話だけはしておこうと思います。
3.耳つぼダイエットで痩せるのか?
耳鍼法と言えばP.ノジェとか清水蓮先生とか坂下孝則先生(『耳鍼法の臨床』実は関東鍼灸専門学校の卒業生)ですね。
そのうちの一処方が独り歩きしているのが耳つぼダイエット業界。元々は「耳の形が胎児の形に似ている」というP.ノジェの着想から始まった部分で全体を調整する鍼灸システムなんですよね。
その処方は、単純肥満、過食症、拒食症、痩せ虚弱などによく使います。
ポイントは、過食症 ←→ 拒食症 という正反対の状態に同じ場所を使うことがあるということ。
泰心堂こと私は、鍼灸の一番の効果ってのはZero-Position=中庸、ほどほど、基準となる状態へ立ち戻るというものだと考えています。補だとか寫だとかは身体が自動的に判断するものであると。だから単純に同じ場所を使うだけだと正反対の効果が出たりすることがあるのではないかと考えています。
実際にお客様や知人に協力してもらって、坂村研究所のマグレイン チタン粒を張り付けて3ヶ月ほど観察させてもらったところ。体重が減った人もいるが、増えた人もいる。減った人の最大は7㎏近く。増えた人は3㎏程。増えた人はそれはもう喜んでいました。
だので、必ずしもそれだけ使って痩せるという代物ではないと考える。
一方で、過食傾向のある人のダイエットの補助として使う分には期待できるとも思う。
ちなみに泰心堂では希望者には教えています。
4.鍼灸はどう使うべきか?
補助的に使うべきというのが鍼灸師としての結論。
○過食傾向のある人への処方
○運動を始めた人への、筋痛、神経痛、関節痛、疲労からの回復促進
○そのほかの体調不良に対するケア
○ストレスケア
など
5.ダイエットプログラム作成のコツ
一、からだの機能確認 →筋痛、関節痛、神経痛、可動域制限などがないか
二、下半身の強化
→スクワットなどトレーニングをしてから有酸素運動へ。
→自転車、水中ウォーキングなど推奨
→ウォーキングは整地になれたら不整地へ
三、腹筋の強化 →ツイスト系からの方がおすすめ。2リットルペットボトルなどを利用して右から左、左から右へと、腹をよじって移動させる。腕じゃなくてお腹でやるのがコツ。足を延ばして座った状態でやるとよい。難なくできるようになったら腹直筋を鍛えるいわゆる腹筋を始める。
四、上半身の強化 → 痩せることを主眼に置くのなら、ワイドスタンスの腕立て伏せ。
五、いわゆるインナーマッスルの強化 → 伊藤昇氏の『気分爽快!身体革命―だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』や『刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』を参考にインナーを強化
こんな感じ。基本的に筋トレはもう一回が上がらないが目安。あとは泰心堂式の筋トレの場合は、すべての筋トレ動作はこれでもかというくらいにスローで行うことがポイント。スクワット一回に40秒~90秒かけるのなんてざら。腕立て伏せ 一回に20秒~60秒かけます。ツイスト系の腹筋も30秒はかけますね。これはハイインテンシティトレーニングの提唱者マーク・アサノビッチ氏(元NFLジャクソンビルジャガーズのコーチ)のプロトコル。日本だとSTRONG-Sの大川達也氏が紹介し、その後。石井直方先生がスロトレとして一般に紹介しましたね。
私は大川達也さんの講習でそういうトレーニングがあったというのを知りました。正直に言いますが、回数、時間は少ないのにあっという間にオールアウト=もう一回が上がらないという状態に陥るある種の魔法のように見える実に生理学的な見解に基づく技術ですね。
なお、ハイインテンシティトレーニングのメリットは
1.短時間で効率的に鍛えられる
2.クイック(勢い良く動く)&ロック(関節を固める)動きがないので関節負荷を低く抑えられ障害の発生リスクを抑えることができる
3.あえてゆっくり動くことで速筋、遅筋をバランスよく鍛えることができる
など。
6.食事制限よりも、筋トレ、そして偏食をやめること
ダイエットの公式は 摂取カロリー - 消費カロリー = 脂肪の燃焼分 と俗に言われています。基礎代謝=一日に必要な最低限のカロリーは基本的に筋力量に依存します。筋力が少なければ維持するためのカロリーは少なくて良い。熱を運ぶ体積も少なくて良い。逆に言えば、筋トレをすると基礎代謝量が向上します。なので筋トレすることは大きなメリットがあります。
一方で、食事制限は? というとこれが実は問題でダイエットの失敗の大きな原因がこれです。段階的に摂取カロリーを減らすというのは悪くはないのだが、食事をとらない、あるいは○○を食べないというのは場合によっては命にかかわったり、あるいは筋トレの効率を落としダイエットの失敗につながるケースが多い。
ダイエットを志す人は、まず目的をまっすぐ見定めなければならない。体重が重いからダイエットするのではなく、体型に満足がいかないからダイエットするわけだ。体型を変えたいのに、体重を減らす行為だけをするのはそもそもおかしいということに早く気付くと良いのだが。
なお、美容目的のためにダイエットを志す標準体重+-5kg圏内は非常に体重を落としにくい。この範囲の人がやるべきは筋トレを中心とした肉体改造。たとえば大胸筋を鍛えて底上げによるバストアップや背筋の筋バランスを整えて背中をきれいに見せるとか、下半身を鍛えて殿筋をあげるとか。昔でいうシェイプアップってやつが必要です。これをやると体重は増加し、体脂肪率は下がります。脂肪よりも筋肉の方が重いからですね。
シックスパックは食事を抜いてもできない。食べないことでできるのはくびれではなくやつれだ。間違った食事制限の結果は痩せるのではなく、窶れているだけ。だからリバウンドが起こる。
見るべき数字は、体重ではなく、体脂肪率。当然、太っていて、筋肉質でないものの方が体脂肪率は高く、痩せやすい。ついでに言うと毎回の数字ではなく1週間の平均値とかある程度幅を考えて数字を追うのが良い。
サプリメント系のお話を追加しておくと、ダイエットに必要なのはビタミン、ミネラル、アミノ酸(必須アミノ酸、プロテインでも可)。
さて、ここまでざっくりと話してきて、最後に最も大事な話をするが、ダイエットの最大のコツはスケジューリング(時間管理)にある。長期、中期、短期の目標とスケジュールをきちっと計画に入れつつ、休み、気を抜く日、ご褒美などを設定することでモチベーションを維持する。
実はこれが最も面倒で、最もルーズになりやすく、それでいてとても大事なコツになるのだからたまらない。ぜひとも山を越えてインナーマッスルの強化まで辿りついてほしい。
今回はこの辺で
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