クラニアルテクニックと鍼灸

 どうも、からだのエンジニア 鍼灸師 藤井崇次です。

 前回、『クラニアルテクニック+鍼灸とは相性が良い』というタイトルでちょっとした感想をコメントしました。


 そもそもクラニアルテクニックとは何か?

 日本語で書くと頭蓋骨調整となるわけですが、何故? 頭蓋骨を調整するのか? どうしてそれが鍼灸と相性が良いのかという話はざっくりとした話しかしませんでした。

 少しばかり詳しくお話ししましょう。



 そうですね、人のからだの歪みってどこに、いつから発生するのでしょうか?

 ちょっと漠然とした質問ですが、歪み=異常とすぐに結びつけるのは早計です。歪みがあっても健康の範囲に入るのなら、それは問題ないからですね。

 ま、それは置いておいて、簡単に言うと”体質”の問題ですね。体質というのは遺伝と環境から構成されます。鍼灸では「見た目、全体的にこじんまりというか引き締まっていて色が黒目で……こういう人を腎旺体と言って……」なんて話がありますが、これは見た目から見る体質判断の話ですね。本来は、通常の”体質”と”病的体質”とがあって病的体質の分類とその補正方法をまとめて””と呼んでいるわけですね。

 クラニアルの話では、遺伝形質とての歪みと胎内での頭位(頭の位置と向き)とそれによる歪みをそもそもの歪みの始まりと考えます。

 そうですね、

遺伝の問題は、からだの設計図上、元々持っている弱点の話

胎内頭位の問題は、出産までざっくりと10ヶ月分と出生後から続く環境と疲労の問題

と考えてもらえば取りあえず良いだろう。


 じゃ、そもそも健康ってどういう状態?

 健康=気血営衛過不及なく、中庸の範囲で上手に循環している~

 うん、わかりにくい。

 健康=頭すっきり+体の機能が十全に働く状態(手や足はしっかりと力が入るか、動く範囲は狭くなっていないか、むくんでいないか、呼吸は規則正しく深いか、胃や腸は十分に働いているか、適度に汗をかいているか、寝つきは良いか、朝はすっきりと動くか、思考はクリアか、しっかりと考え、ずばっと決断できるか、悩みと向き合い解決できているか、などなど)

 結局目指しているのは鍼灸でもここ。

 となると、病気の原因ははっきりとしている。

 外因、内因、不内外因に負けること=環境ストレス、感情ストレス、体のストレスに体が負けること。

 環境ストレス+感情ストレス+体のストレス→疲労>体の回復力(自然治癒力と言ったり、免疫力と言ったりいろいろ)


 疲労(=蓄積疲労+新たに加わった疲労) - 体の回復力 = 新たな蓄積疲労

 新たな蓄積疲労 < 体の回復力 → 体の負担0、朝起きてすっきり

 新たな蓄積疲労 > 体の回復力 → 体の負担 増、より疲れやすい状態。


 この新たな蓄積疲労が多ければ多いほど、からだの負担となり、その負担をカバーしようと体が無理をすることで、より歪みを作る。歪んだからだは、荒れ果てた道のようなもの。道が悪いので、体液の循環も悪くなり、末梢(からだから遠い、手足など)から浮腫む。

 ポンプが水を外に出そうとしても、配管の流れが悪いために外に出しにくくなり内圧が高まるイメージを持ってほしい。ポンプが心臓、配管が血管としたらどうだろう? 高血圧のイメージに近くなるだろう。流れが悪いがポンプ自体は稼働中、配管に余計に水が流れるわけだ。循環させなくてはならないから配管の壁はより硬くしないと水を押し出せない。だが、流れが悪いので徐々に圧力は高くなる。そうなるとより壁を硬くして……となると硬くした分、柔軟性がなくなり壁は脆くなる。そうなるとあとは時間の問題。

 ところで、人間の体の多くは水分であることは皆さんご存知だろう。中学か高校の保健体育学あるいは生物学で学ぶことなので特に言及しなくてもよいだろう。水分、つまり体液は何種類もある。最も有名なのが、血液。生物で出てくるのが間質液。他にも漿液というのもある。実は脳、脳室で作られ、脳神経を保護し、脊髄を支える脊柱管を満たし、からだを循環している体液がある。

 それが、脳脊髄液(CSF、100~150mlが一日に3~4回入れ替わる。脳室で産生されるこの液体は、脊柱管へと向かうわけだが、この脳脊髄液(CSF)の循環に一役買っているのが頭蓋骨。頭蓋骨が収縮、拡大を繰り返すことでポンプの役割をし、脳脊髄液(CSF)が全身へと向かうのを助けている。この収縮拡大のことを一次呼吸という。おおよそ一分間に15回ほど。

 調子が悪くなるとこの脳脊髄液(CSF)の循環も滞る様になり、末梢ではむくみや運動機能の低下、脳圧も高まり、脳機能低下、免疫力低下、回復力低下することでより疲労がたまりやすくなり体の不調が生じるとされる。

 クラニアルテクニックはこの一次呼吸を強調、調整することで脳脊髄液(CSF)の流れを取り戻し、脳機能を活性化する技術だ。


 鍼灸は経穴への刺激を通じて、反射を引き起こし、炎症をコントロールすることで免疫力向上や傷んだ組織の回復を図る技術。※反射経路はいくつかある。

 これもまたざっくりと書くと、

 鍼灸刺激→へ伝達→脳で命令を返す→全身へ反応を返す→患部もその恩恵を受ける→炎症を通じて痛んだ組織が回復し治癒へ

 脳機能が活性化していると都合が良いわけだ。

 また、針灸の目的も究極のところは”疲労を回復しやすくする”ことにあるので最終目標が同じなのでまとめて矛盾なく使えることも都合が良い。


 つまり、針灸と相性が良いのだ。


 これは、余談だがクラニアルテクニック→てい鍼の順に施術するとてい鍼が触れると体が変化するという感覚を患者さんが感じるケースが多かった。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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