ちょっとだけ補足
大変、興味深い指摘がありましたので、せっかくですからシェアしようと思います。
はい、こちらの記事に対するコメント? ご指摘?をいただきました。ありがとうございます。
>締め付けられる感じは偏頭痛ではないでしょう。発生機序わかってますか?
> まずはきちんとした医学知識身につけましょう(笑)
とても散文的な指摘ですね。
頭痛には、まあ、いくつか型があるといわれるのですが、おそらくは偏頭痛と緊張性頭痛の違いについてご指摘くださったのだと思います。ありがとうございます。感謝いたします。
まず個人情報なのですから、すべての徴候を書いているわけではありません。それはそれとして私側が出した情報が断片的であったためにこのような指摘をいただいたわけですから、しっかりと受け止めある程度の補足をしておく必要はあるかと思います。
まず結論から、このケースにおいては医師による診断名が”偏頭痛”のケースなので、偏頭痛でOK。
指摘いただいた矛盾点はこちら
”左偏頭痛(”左側頭部”に締め付けるような感じが発生)”
通常、”締め付けられる”という表現が出ると、すぐに緊張型頭痛と分類する方がいますが、もちろん試験的には正解です。そのほか頭重感や倦怠感を伴うなどの表現でも緊張型と分類して正答になるでしょう。
そして試験的な偏頭痛の特徴的な表現は、”脈打つ”、”目の前がちかちかする”、”強い吐き気”、”視野がぼやける”などという類。
ところが”締め付けられる”という表現単体で緊張型と決めつけるのは実はちょっと早いんですね。
どいうことか?
ひとつは、今回のケースのように診断名が”偏頭痛”とつくケースがあります。で、たまに頭全体的に締め付けられる感じや後頭部が締め付けられるようなというパターン。これは混合型と分類されることもあります。ただ今回は経過観察が短かったのと本人の指摘が曖昧なこともあり、混合型であるかどうかは不明です。
ひとつは、表現の問題。これは相対的な感覚の問題なので現場でもわかりにくい。一応、なんでこういう表現になるかというと、まず緊張型は筋緊張による締め付け感があり、さらに繊細な方は血管も潰されることで血管内圧が相対的に高まるので拍動を感じられる方もいらっしゃいます。逆に偏頭痛(片頭痛)のタイプは血管拡張が起こることで拍動を感じるのですが、血管内圧により筋にストレスが掛かっていることを感じられる方もいらっしゃいます。これは本人の感覚の問題なので、よく話を聞きましょうというやつですね。
さて、この方の場合、
一つ目のポイントは一貫して「頭が重い」ではなく、「頭痛がする」(発生する)なんですね。
そして
二つ目のポイントは、限局性です。全体がとか後頭部を中心にではなく、こめかみ(側頭部)に限局しているということ。
嘔吐感や時機の話などこまごまとした話はまだありますが、この二つだけでも、緊張型? と疑問を持ってさらに情報を集めるべき案件になります。※実際は事前に質問シートでチェックしてもらっているのでいくつか確認して分類する程度ですが。
さて、こういうときに簡易的に判断するにはどうしたらよいか?
突っ込んだ話をして、ニュアンスをあちらかこちらかと切り分けて明確なものにしていくという方法も良いですが、頭を動かして増悪するか否かをみるのも良いでしょう。
頭首周りを動かすことで、頭部への血流量に変化が生じます。
緊張型である場合、筋の(収縮弛緩)運動に伴い、頭部への血流量が変化します。そもそも首肩回りの筋緊張による持続的圧迫状態がが解除されるのでどちらかというと血流増大方向へと変化しやすい傾向があります。緊張型の場合は、頭蓋内の血流量減少方向の傾向を示しやすいので、頭首周りを動かすことで緊張緩和→症状緩和方向へと向かいやすいと言われています。ただ、それらは即時に起こるとは限らないので、現場での検査では変化なしなら緊張型の可能性があるくらいの評価をします。
一方、偏頭痛型の場合、頭蓋内圧は一時的かつ局所的に増大(血管怒張)→血管拍動を感じるという特徴を持ちますので、頭首周りを動かすことで、頭蓋内に流入する血流量は増加傾向を示しやすいので、主にズキズキとした痛みは増悪もしくは変化なしの傾向を示しやすい。※この場合の変化なしはズキズキ感が変わらないという意味。
場合によっては両者とも変化なしや増悪傾向を示す場合もあるので、注意は必要ですが、簡易のふるい分けとしては割と機能しやすいように思います。
さて、施術はというと、根本療法系の場合は基本の考え方はどちらでも変わらないので、割愛しましょう。
たまにこういう指摘をいただけると、ああ、言葉が足りなかったんだなとか教科書的な定義はそうだよねとか、省みるきっかけになるので大変助かりますね。
あらためて感謝を。
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