質問に答えます。その71 元気よく、大股で歩くのはよいことですか?

 おはようございます!

 からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。

 本日は水曜日なので本業の私のサロン(人の集まる場、鍼灸院&徒手調整術研究部)での活動になります。

 この仕事をしているといろいろと耳を疑うようなお話を聞くのでその辺について質問をいただいたのでお答えします。


 まず、間違えないで欲しいことは、その行為の目的は何ですか? 求める結果は何ですか? をブラさずに考えてほしいということです。


 さて、質問の方に行きましょう。

 72歳 女性 千葉市

「別の整体院の先生に、大股で歩くといいですよ! と言われたんですけど本当ですか?」

 67歳 女性 市川市

「元気よく手を振って歩きましょうって言われるんですけど、あれ肩が痛くなるんですけど本当に良いのでしょうか?」

 52歳 女性 習志野市

「膝が痛くてね、大股で歩けって言われるんですけどね、どうにもうまくいかないんです」


 81歳 男性 船橋市 腰が痛くて思うように動けないと来院

「毎日元気よく腕を振って歩いているから、いつも元気です!」

私「でもいつも腰が痛くて思うように動けないんでしょ?」

「いや、まあ、そうなんですけど、でも腕振って、大股で歩けって言われます」


……なんか、おかしくない?


 もちろんどこぞの業者や団体を批判する気はありません。目的行為においては正解になり得ますから。


 こうかくと「えっ!?」と驚く方が多いのだけど


 ちまたにあふれる健康増進を標榜した、様々な運動は、からだにとって”負担のかかる行為”です。


 ええ、負担がかかるから、からだが順応、適応し、筋力アップなどその後の健康増進が期待できるのであって、今、傷んでいる人には不適当な運動強度のものが多数含まれます。 


 たとえば、慢性的な腰痛=いつも痛い腰痛の方に、「元気よく腕を振って、大きく足を踏み出して、少し早めに歩きましょう!」と指導するジムのインストラクター。


 程度によっては、ありえない。


→立っている、座っているなどでは問題なし、長時間にわたると痛みが出る程度

 この場合は、周辺血行の促進、疲労回復、筋力増強、姿勢補正などの観点からありです。


→立っているだけ、座っているだけでも常時痛い。

 この場合は、不可。ありえません。からだが必要があって出している痛みなので体の要求に従うべき。


→ギックリ腰など明確に腰を傷めてから数日。

 ありえません。再発の可能性が大です。


→足がしびれるなどの坐骨神経痛による痛みの方

 実は、条件によってはありです。それは坐骨神経痛の起こる仕組みにから考えるとわかります。なぜ、からだが神経痛を起こさねばならないかという視点が大事です。

 鍼灸整体などでも坐骨神経痛が治癒に至る理由とも関係があるのですが、神経痛があるからその神経痛のある部位やより下位の領域に不都合が生じているのではなく、その逆だから神経痛をわざわざからだが起こしているのです。なのでその不都合が生じている事情が解決すれば、神経痛は自ずと消えます。

 ただし、条件によってはと断りをつけたように、腰部などの筋・筋繊維自体に強い筋性防御などを起こさなければいけないような事情、深刻なダメージ、筋断裂などが疑われる場合は不可です。これは股関節や膝関節なども同じ。


ということで、実は質問いただいた方の状態を鑑みると、全員不可の人だったんですよね。


じゃ、どうすればよいか?

実はお勧めなのは全くの逆。


〇小股で

〇ゆっくりと歩く。


はい、これが実は限りなく正解に近い。まあ、基準がわからないと思うのでざっくりとした寸法をお話すると

まずは歩幅

1.膝の中心から床面までにタコ糸などを垂らす。

2.膝の中心で意図を切断。

3.糸を床に伸ばしておく

4.その糸の長さを超えない範囲で”一歩”を踏み出す。


ついで歩隔。簡単に言うと足と足との間。

1.軽くかかとが触れるか、指1~2本分離れるように立つ。

2.両かかとの中心から前方へとまっすぐ線をイメージする。※体の前に2本でできる平行線がイメージできるはず

3.かかとが交差しないように、平行線上に足を進める。


まあ、二線歩行ってやつですね。

ああ、ちなみに歩隔と言って一発で伝わった治療家って今のところ皆無ですね。鍼灸師などが専門学校で使う教科書なんかにも基本用語として出てくるんですけどね。


もういくつかポイントを挙げておくと、

〇膝を上げる意識より、後ろ脚をしっかりと伸ばす(かかとを踏む)意識が大事。

〇早く歩くのではなく、前後左右に大きくぶれないように歩くことを意識。


からだを”治す”段階では特に、負担をかけることは逆効果、むしろ、からだにとって”楽”な動きを日常生活の中で増やしていくことの方が大事です。


その後、筋力強化やボディメイクといった特定の目的のためのトレーニングとしては、体に負担をかける動きもありです。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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