質問に答えます。その64 検査と施術、どちらが大事ですか?

 おはようございます。

 からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師ついでに操体法術士 藤井崇次(泰心堂)です。

 9月も気づけばもう終わり。そして私は明日、秋の食事会イベント。

 今月はやりたいこと、やるべきこと、やらなければならない、ちょっとやってみるか的なことでスケジュール調整が大変でした。お陰様で、いろいろとパワーアップ状態。まあ、筋力が上がったわけではないのですが、施術においては検査精度がグッとあがりました。


 さて、今回のお話は、質問に答えます。シリーズですね。ということでさっそく進めましょう。


 〇検査と施術、どちらが大事ですか?


 はい、こういう質問をいただきました。


 まずは回答から、まあ、あくまでも個人的な見解ということにしておきましょう。


 検査が大事です。


 はい、こういう話は結論から書く方が話が早くてが良いですね。


 ま、その割には、鍼灸師のくせして、巷で行われている脈診とその学び方についてとても否定できなんですけどね。ええ、やり方やデータの取集方法やデーターベースの構築方法を間違っていたら、10年たってもできるわけないじゃないですか。あれは経験知の集積と比較検索による経験的判断方法なんですから。何人の対象を、どういう観点で検査してきたかが大事なのであって、手首掴んで微妙な感触を無理やり判断しても無駄でしょうに。

※定義と設定によっては手首掴んで判断→施術の選択も可能ですけどね。これ、東洋医学の脈診ではありません。


 じゃ、まずうちのルールからお話したいと思います。


〇泰心堂の施術方法の決定のルール 基本

1.人の意識:顕在意識<<潜在意識

2.認識もまた潜在意識の影響を強く受ける→対象者(患者、依頼者)の意識していることがすべてではない。

※泰心堂では依頼者(クライアント、顧客)と呼称しているがここでは患者を用いる。

3.患者が話す内容は全面的に正しい。

4.患者は嘘をつくものである。それは意図的にあるいは意図せずに関わらず潜在意識の影響を受けるからである。

5.自覚症状は確認されなければならない。

6.他覚症状は、基準を以って確認されなければならない。

7.施術判断に関わる情報は複数の指標、判断基準を以って確認されなければならない。

8.患者自身が現況を意識すること、患者自身に現況を意識させることによって施術効果が変化してしまう。

※顕在意識、潜在意識のどちらでも構わない。

※施術効果は”意識されたところ”に及び、そもそも”異常”と感じられない場合調整されることはない。


はい、これが基本。

具体的な検査は、今回割愛しますが、たとえばこんなことをしています。ああ、細かなところは省略しますのでご容赦を。


挨拶~問診

挨拶

〇第一声

〇ドアの開け方

〇靴の脱ぎ方の癖

〇視線の配り方

などをさっと確認して


予診表の記入

〇利き腕の確認

〇姿勢と頭の位置と重力との関係をベクトルラインで確認

〇筆圧、書き癖

〇手癖

〇書き出しのタイムラグ

〇予診表の手渡し方


問診

〇姿勢

〇視線の配り方

〇声の大きさ、速さなど声調

〇論理性:時系列に話ができるか、ポイントがはっきりとわかっている話し方をしているのか

〇願望:どうなりたいか


はい、挨拶から問診までざっと検査項目でわかりやすいところをあげてみました。

実際は、この数倍チェックしています。とはいっても、チェック項目はもう頭の中に入っているので、習慣的にさっと半分無意識でチェックして、引っかかるものだけを意識に置いておくだけですので実際のチェックは数分ってところでしょうか。


ちなみにこれ言語というか話し言葉で考えようという癖を皆さんお持ちなので「そんな短時間じゃ無理、できるわけがない」というのですが、チェックリストを用意してさっとチェックしていくような感覚なのでむしろ短時間でできるほうが普通です。


 試しに写真100枚以上用意して、美男、美女をさっと抜き出してください。ええ100枚程度なら1分かからないのではないでしょうか。これを「美男の特徴は○○で」とか一々考えようとするから遅いのです。ぱっとみで美男、美女選べというだけなんですから美男、美女と思えなければさっさと捨ててしまえばよいだけのことです。

 で、改めて、気になるもの=この例では抜き出した美男、美女の写真をチェック対象として意識してみるという作業が引っかかるものを意識に置いておくという作業ですね。これをスクリーニング(ふるい分け)と呼びます。


 できないほうがおかしいのです。少なくとも仕事で使えるレベルじゃないよね。


 で、うちの場合は問診までの段階で、話を整理する部分、姿勢や特有のしぐさや体重の偏位の問題など東洋医学における望診、問診、聞診の問題はあらかた終わっています。


 なので、施術の意思確認をしたら施術スペースで切診(触診を含めたからだの動きや接触を伴うチェック)をしていけばよい。


 うちでは

〇重心の確認

〇患部の確認

〇主要な関節、筋肉の動診

〇筋反射低下現象などから自律神経系の機能低下状態の確認

〇内臓―筋反射低下などに腰る内臓状態の確認

〇筋性防御反応と自律神経系の機能低下状態の確認

などを行います。


これらは患者さんに見せるための検査を含みますので、見せるための検査→施術後にもう一度確認という術前、術後の検査も普通に設定しています。


なお、泰心堂は東洋医学―蔵府経絡論自体を否定するわけではなく、むしろ利用する経絡治療の一派に属しますが、施術理論としては病の原因=(蓄積)疲労状態=(継続的な)自律神経系の機能低下状態→だから内因、外因、不内外因とからだの調整力(精気神、気血水、蔵府経絡)との釣り合いが保てなくなる。と定義しているので対象となる蔵府経絡の選定をしたのちに、自律神経系の機能低下の解除ポイントを探る手順を加えています。

これにより結果的に超時短施術を実現しているわけですね。

※だからといって3分で施術を終わらせるわけではありません。


検査を行う理由は、からだに現況を知ってもらうためです。

私たちが東洋医学者は経絡という概念=イメージからを見ることにより、恐らくは量子とくにボソンなどの力場に影響を与えているのではないかと考えていますが、

現象としては、鍼を刺して体が治るのではなく、鍼を刺して傷を受けてことにより、自律神経系の機能である緊急反応が起こり、そして炎症などの治癒反応が連鎖的に起こって傷が修復されるとともにその余力で体のあちらこちらの修復、調整が行われるわけであり、極論、自分で治しているわけです。


つまり、耳の痛い話を白状すれば、どこに鍼を刺したって、どこにお灸を刺したって、場合によっては微妙な圧力を加えるだけで効果は出る可能性があるってこと。


ただ、どう出るかは体の問題。

つまり、患者のからだ自身が、体の不調を認識していますか? って問題に集約されます。


だから、施術効果は意識の及んだところに波及するというお話になるわけですね。


ならば、私たちが考えるべきことは、”その場”において、”体の認識力を高め”て、”影響を与える”ことによって、連鎖的に体の状態を変えるきっかけを与えることであり、施術技術自体は”突き詰めて”しまえば何でも良いのです。


ただし、上手、下手はあるので”突き詰めて”からの話ですけどね。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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