めまいと上部頸椎とKHT
こんにちは、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
本日は土曜日ということで、本業の自分のサロンでの活動をしています。
最近は、「鍼灸は苦手!」という方にも対応すべき、某ゴッドハンドのカイロプラクティック系テクニックに、鍼灸術の応用技術を利用した徒手調整術なども力を入れて提供しています。
今回は、そういう応用テクニックのお話。
はい、今回のお話へと進みましょう。
『めまいと上部頸椎とKHT』というタイトルですが、KHT=Koryo Hand Therapy=高麗手指鍼術ですので以降、KHTと出たら手の鍼の話だなと思ってくださいね。
さて、泰心堂で対応できないめまいの話をしておきますが、小脳の損傷など”器質損傷”によるもの。
逆に、対応可能なめまいは、機能低下状態を起因とするもの。
だので、突発性であろうと、メニエール病、メニエール症候群であろうと対応可能です。ええ機能低下状態を解除すればあとは体が勝手に治癒へと向かいますから。
本治方系、根本療法系の施術は理屈が明確で、身体に対して働きかけること、身体に任せることが明確なのが、施術者にとって大きなメリットですね。
さて、泰心堂方式の場合、大事なのは施術、刺激そのものではなくて、検査‐認識の段階です。
施術の効果は、(からだの)認識が及んだところへと波及するというのが原則であり、より強く認識できれば、より効果的に変化が起こるというのはカイロプラクター、鍼灸師問わずに昔から指摘されているところです。
だからこそ、カイロプラクターはマイナー/メジャーの考え方を採用しているのが普通ですし、鍼灸師であれば、病理産物の分析や所属経絡の分析、五行分析、虚実補寫の考察などを行っているわけですね。
泰心堂で、重心している検査‐認識用ツールは、DRT(上部頸椎カイロプラクティック)の三大徴候とKHTの相応点反応です。ここにキネシオロジーテストのテスト(質問法、筋反射テスト)などを加えることで根拠を複数化し、確率論的に適当な選択をするのが基本の基。
施術後に、これらの反応が消失、減弱、時に活性化(活性化を狙う例は稀)していれば施術自体は体に変化を与えられたという意味で成功と言えます。
はい、施術の効果は検査を通じて確認されなれなければならない。という施術の原則にも合致しています。
論理構造と施術結果が一致するのはとても大事です。
施術者は確信をもって施術を提供できるし、顧客はここで変わっていけると安心と期待が持てますからね。
当然、これらの検査は毎回行うべきだと思います。もちろん、初診時の詳細な検査、次回以降の簡易検査、節目ごとの検査は違っても良いのですが、施術効果があるのかわからない施術を毎回提供するのは意味がないことなので、施術効果をお互い意識するためにも検査は大事です。
が、現実的な問題でどうかというと、あまりやっているところはないように思います。
私自身、施術家人生の中で、他院のお手伝い案件を何件も受けていますが、ちゃんとしているところはごく一部のゴッドハンド、カリスマのいる整体院くらいなものであとは残念な感じでした。
施術ってのはライブセッションでしょうに。まったくノリが悪いことです。自身と自信がないんですかね?
さて話を戻しましょう。
めまいのパターニングにおいても、三大徴候は基本的に共通指標なので同じように確認をします。必要に応じて個別指標を追加する形でしょうか?
泰心堂式の大きなポイントは相応点反応の確認。
相応点とは、身体と相応じる手の反射領域に出現する過敏圧痛、触圧覚異常、温痛覚異常、組織変化などのこと。この相応点反応部位に対して刺激をし、体の変化を促す第一段階の療法をKHTでは相応療法と定義している。(瑞金療法協会)
例えば、メニエール症候群(メニエール病)においては、内リンパ水腫が原因とされることが多いが、メニエール症候群と診断された中でメニエール病と断定される方はさほど多くなく、当然、内リンパ水腫が発見されない方もいる。
特に不全型あるいはメニエール病亜種とされる蝸牛型、前庭型、レルモワイエ症候群などでは内リンパ水腫反応好発部位の相応領域に過敏圧痛点が存在しないケースもある。
この場合、KHT的には相応反応なし→該当部位は相応療法の対象ではないということになる。
めまい、メニエール病などKHTを利用した診断部位は、
1.頭部判断点:相応点反応の有無
2.臓腑判断点:内蔵と内臓の相応領域上の反応。相応点反応の有無
3.手気脈反応:経絡に対応した手の経絡(気脈)の反応。生体反射テストを利用して判断。o-ringテスト、入江式FT他。
の三つ。
手を用いた判断は、
1.検査する部位が体に比べて狭いこと
2.検査をするとき立っていても、座っていても、寝ていても判断可能なこと
3.服を脱がなくて検査することが可能。
4.生理反射を利用しているので、間違った刺激を送ったとしても体が反応しにくいこと。
5.危険部位、デリケート部位についても簡易検査が可能であること
などの利点がある。
検査によって、過敏圧痛点を見つけたら、
1.過敏圧痛点への刺激を行う。
2.他の施術を通じて過敏圧痛点が消失、反応低減などの変化が起こるかどうかを確認する。
などの処置が考えられる。
徒手調整で行う場合、泰心堂式ではDRTという上部頸椎調整の手技もしくは仙骨内臓テクニックのいずれかを頻用しているので、パターン2をよく使っている。
これらは自宅でセルフケアで……とはいかないので専門家による調整であるべき。
逆に、自宅でのセルフケアについては過敏圧痛点の探し方のお話をして、自宅で施灸をしてもらい、施術に来れない間の自宅調整を行ってもらうことで相乗効果を上げようという場合もある。
話を戻す。
例えば、
〇血圧変動などが原因の場合、血圧変動に関わる相応点に相応反応が出やすい。
〇前頭部が原因の場合、前頭部の相応領域に過敏圧痛点が出やすい。
〇側頭部が原因の場合、側頭部の相応領域に過敏圧痛点が出やすい。
〇自律神経系の不調によるものの場合、自律神経系調整点に相応反応が出やすい。
となると、それぞれの過敏圧痛を意識させて、施術を行うと、相応領域に対して過敏圧痛点が出現していることを(身体が意識的にあるいは無意識的に)認識し変化が及びやすい条件が整うということになる。
これが鍼灸における蔵府の病ならば蔵府の相応領域に、経絡の病ならば手気脈に反応が出るということになる。
これらの反応と、自律神経系の不調による体の変動→三大徴候で確認される状態とを合わせて判断することで、適切な調整ができるのが泰心堂式の強みとなります。
だから、開業以来、鍼灸の方でもめまい、頭痛専門ですよと自信をもってお話してきたわけなんですよね。
鍼灸術、徒手調整術はとても簡単です。原理原則に基づいた根本療法系のテクニックはとくにシンプルなものになります。
ただ、効かせるにはそれなりのコツがあります。そのコツは検査と意識(認識)です。
とま、めまいと上部頸椎調整とKHTとを複合して効果を上げてきたといううちの秘密のお話でした。
ではまた。
追記:8月分のめまい頭痛の方の受け入れは7名までとなりましたので、施術をご希望の方、長年続くめまい、頭痛から解放されたい方はこの機会にぜひ施術予約くださいね。
→直接の問い合わせ先:taishindo@outlook.jp
0コメント