坐骨神経痛への対処とKHT

ども、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂こと藤井崇次です。


先日、KHT(手の鍼)とコロナ後遺症の話をしたせいか、なにやら立て続けにKHT関連のご質問や相談をいただいております。

この場を借りてまずは感謝を。


その上でですが、当方では高麗手指鍼術および小松式高麗手指鍼術の講習は行っておりません。というかその権限を持ち合わせておりませんので、瑞金療法協会(旧高麗手指鍼術慮法学会)もしくは東京高麗手指鍼協会などの団体にお問い合わせください。関西は・・・・・・高麗手指鍼術協会でよかったと思いますがはてさて。



本日の話題は、坐骨神経痛など下肢の痛みやしびれや無力感などにお悩みの方への処方のお話。


とはいえ、はじめに断っておくと、通常の鍼灸や整体でも十分に対応できる分野だとは考えております。

助言というか苦言というかを敢えて残すならば、「腰が原因という先入観をいったん捨てて、検査をしっかりと行うことが大事」ということくらいでしょうか?


ええ、腰に原因がある場合とない場合とがあります。

またからだの構造、機能の問題から考えると、

1.下肢に異常を検出したので、痛み、しびれなど異感覚を生じさせている。

2.下肢に異常を検出したので、痛み、しびれなど異感覚を生じさせて、現状保存しようとしている。※それ以上、動かしてダメージを広げないため、または(現時点では)修復する余力がないため

3.下肢に異常を検出したので、痛み、しびれなど異感覚生じさせ、保存しつつ修復作業中。

4.痛みやしびれの記憶などによる頭の誤作動

このいずれかに該当するので、どれだけ正確な現状認識が(無意識/顕在意識問わず)できるかとそのうちのどれに対してからだの修復・調整機能が働くか(自己修復機能を賦活させ治そうとするか)の問題になります。


なので、泰心堂では、長引く症状というのを

1.いつも通りとからだが認識してそもそも修復しようという機能が働いていない。

2.異常と認識しているが、現時点で対処できない。

3.不可逆性、つまりは戻らないので、日常生活に困らない範囲へと適応変化を促していくべき問題。ようは新たな動きや生活に慣れるまでサポートするべき問題。

のいずれかとして捉えています。


こう考えると私たち施術かがすべき問題はとても簡単で

〇どこがどうおかしいのか、正常範囲からどれだけ乖離=離れているかを検査と刺激を以て再認識を促す。

〇問題がある筋腱関節などの可動範囲をチェックして、どう動かせるかを再認識させる。

概ね、この二つでOK。


KHTの場合は、

1.全身と手のひらとを相応=対応させて、領域ごとに異常、つまりは痛みやしびれ、動かしにくさがないか?と手の対応領域に過敏圧痛がないかを丁寧に調べて、意識的連関(リンク)を作る。

2.気脈療法、五治処方、八性穴処方など関連すると考える蔵府概念や縦軸=経脈、横軸=絡脈に対して調整を加える。

この二つを段階に応じてあるいは同時に行う。


坐骨神経痛などの場合は、基本的に腰臀部、ハムストリングスや下腿後面に反応が出ていることが多いので、それを参考に異感覚部位の特定、筋腱関節の状態の確認をしたうえで、手背部にある通称”腰腿点”付近から小指手背則の対応領域を検査器具にて軽度圧迫して過敏圧痛を探します。

あくまでも”参考”なので気になる部位はすべてチェックするのが基本ですし、手の方で反応があり、からだの方で反応がなかったという場合もありますので、それも改めてからだの反応を再チェックするなど丁寧にチェックをすることが大事ですね。


で、該当箇所に鍼または施灸というのが相応療法の基本。


専門的な処方論では、こういったケースでは何もしなくても痛いという自発痛パターンがわりと多いように思います。この場合、KHTでは実証(活動性疾患)と考え、該当する気脈の勝方を入れていきます。

足回りの異感覚の好発部位は臀部、大腿部の後面、膝窩(膝裏)、腓骨(特に腓骨頭)周囲、足の指先が多いので、気脈的には膀胱気脈(膀胱経に近い)、胆気脈(胆経に近い)の勝方を合わせることが多いように思います。


ちなみにKHTでは舎岩道人五行鍼を基本とした五行論を考えていますので、一般的な経絡治療における”補・寫”ではなく、”正・勝”などの言葉を用います。また五行鍼では正格、勝格と格を用いますが、KHTでは方を用います。

配穴方針も異なるところがありますのでその辺を含めて、あくまでも参考までに。


施術回数ですが、まあ、この辺りは個人差の世界なので目安は経験を積んで~というお話にはなりますが

5回以下:わりと軽度かなと判断していますが、手術適応と言われた方でも2~3回で症状の再発がなくなったケースもあります。

6~15回:一つ目安になる回数かなと思います。

16~30回以上:うち=泰心堂の基準ではかなり重症。たらいまわしというかいくつもの病院や鍼灸院、整体院を渡り歩いて来た方の中にごくまれにいる感じですかね?


前にも述べましたが、あくでも”治癒”するのは体の役割なので、焦らず、からだの負担を減らしながら、回復を待つのが早期治癒への道ですね。


これは余談かなとは思いますが、泰心堂では手の鍼をメインにする場合も、クラニアルテクニック(頭蓋調整技術)は必ず加えています。何故ならば何度もお話しているように”あたま”の問題(現状認識力)が重要だからですね。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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