質問に答えます。その43 原因がわからないときの処置
ども、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂 藤井崇次です。
本日の業務を終了し、いただいたメール、メッセージに目を通していたところです。
今回の質問は、対象は施術者の皆さんでしょうか?
『原因がわからないときの処置』だそうです。
メッセージをいただいた名古屋市のNさん、仙台のS先生、ありがとうございます。
ただ、この質問なんですが、私、泰心堂の場合、そもそも”原因がわからない”という状況がないので、質問に答えるのはちょっと難しかななんて思っていたりします。
私の場合は、原因は明確です。
逆説的な話ですが、根本療法系の調整法を行う場合は、そもそも何を原因として定義するかが発端になります。
つまり、原因探しを行うのではなくて、○○を原因とする派生的現象として症状を捉えるわけです。
なので、基本的に原因がわからないという状態が起こりようがないわけです。
もちろん手が出せない、出すべきじゃない状態というのはありますからそのへんの判断はしっかりと復習しておく必要があります。
ということで、大きな回答をしたところで個別のお話をしておきましょう。
名古屋のNさんは経絡治療を学んでいる最中だそうです。で、脈診をしても結果が出ない。どうも原因が捉え切れていないのが原因ではないか? と疑問に思っているそうです。
はい、一番の間違いは、脈診に頼ることです。
脈診を学んでいる人間が脈診に頼るというのは矛盾しています。あやふやだから学んでいるのだから、そもそもあやふやで機能していな指標なわけです。なので頼りにしてしまったらあやふやな答えかたまたまの大当たりを引き当てて勘違いコースが待っています。
経絡治療の定義は、”病=経絡の変動”、ただこれだけです。逆に言えば、脈診をせずとも変動している経絡がわかれば、施術が可能であるということ。
ならば、最初は論理学的なアプローチにしたほうが記録が残り、比較検証が可能になります。
つまり、まずは経絡病証を利用して、どの経絡に属する病なのかを判定することから始めるのが良いでしょう。
ついで、わかりやすいのは圧痛反応→皮膚感覚異常と続いていきますので、少しずつ深度を深めていくと経絡治療が使える施術の一つであることがわかるでしょう。
仙台のS先生は、勉強熱心な先生であることが文面から窺えます。でも今一つどの治療法を学んで、使ってみても自信が持てない。果たして自分の判断は正しいのかどうか迷ってしまうとのこと。
これ、ノウハウコレクターになる人の典型的な特徴です。
簡単に言うと、かみ砕いていないので、消化不良を起こしているのです。
例えば、私が学んだとても効率的で、便利な上部頸椎調整術である上原宏先生のDRT(ダブルハンドリコイルテクニック)。施術自体は見た目とっても簡単で両手で背骨を横から押して揺らすだけ。
でも、これ背骨を整えていると考えては片手落ちどころか大事なところが抜けている状態なので、同じように背骨を揺らしているつもりでも、効果が出たりでなかったりします。
何のために上部頸椎を調整するのか、どうして背骨に揺動をかけるのか、しっかりと理解しないと結局、劣化した型の模倣になってしまいます。
その時に基準となるのが”身体観”。つまり体をどう捉えているのか、健康な状態とは、不健康な状態とは、何をきっかけに崩れていくのか、どうしたら元に戻っていくのかなどを根拠をもとに、説明できるようにすること。
この辺を徹底的に行うと、自分の中で基準が明確になります。
あとは基準にしたがって施術するだけですね。
とま、これ以上は施術法自体の話になってしまいますので、この辺にしておきましょう。
では、また。
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