根本療法の話
おはようございます!からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂 藤井崇次です。
昨日は、お陰様で無事セミナーの受講を終了し、疑問点のいくつかをしかと確認してきました。その分、ちょっと予約時間ギリギリに戻ることになってしまいましたが、無事施術も丁寧に行うことができました。
「せっかく何のでちょっと体験していきますか?」と顧客に同意をいただいて、今回のネタをさっと提供して感想をいただいてみました。
「え? あれくらいの刺激で変わるんですか?」
「少し触っていただけなのに何で変わるんですか?」
好意的な感想はこんな感じでした。一方で、「(ソフト)ブロックを使ったほうがびっくりした気がする」という好みの問題を指摘される方もいらっしゃいました。これは本当に好みの問題ですね。
私が今回デモンストレーションしたのは、昨日もお話しました篠崎式 仙骨内臓テクニックの一部です。
1.事前テスト:可動域(Range Of Motion)の確認とその動作の抵抗確認を数種、筋反射テストを数種、筋自体の弾力、硬結の確認を数か所を行って、左右差を確認。
2.セットアップをした上で仙骨腎臓反射調整を約1分
3.事前テストと同様のテストを行い、検査結果が改善方向へ変化し、左右差が低減したことを確認。
以上で終わると鍼灸院的にはまずいので、左右差をより減らす方へ鍼にて調整し仕上げ。
さて、”何をしたのか?”というといわゆる根本療法(鍼灸では本治方かな?)系の施術を行ったわけです。
じゃ、根本療法って何?ってのが今回のタイトルテーマなわけですね。
そもそも、鍼灸やマッサージ、整体?、カイロプラクティックの施術を行っている人って矛盾している人多くありませんか?
彼らの主張をざっくりとまとめると、(自然)治癒力、あるいは生命力が人の体を自動的に治すという話になるわけです。
じゃ、実際にやっていることは何?
そんなに時間をかけて、手数をかけて、ダメージを与えて、……、ねえ、それって本当に治癒力とか回復力っての働いているの!?と思う施術は体験した限りでも正直多かった。
たとえばこんな感じ
〇揉み返し? ただの防御反応じゃない?
〇好転反応? ただ悪化しただけでしょう?※そもそも好転したかどうかはその後の経過を観察しないとわからない。
〇根本から調整っていっているわりに痛いところばかり揉んでない?
〇膝がずれているでしょうって? そもそもあげ方左右で違うじゃない?
〇時間内施術者が頑張って、終わりですか?
はい、その手の業者のユーザーだった方々心当たり在りませんか?
私はマッサージを〇分 〇〇円という形で時間切り売りで行う意味が正直わかりません。
私は骨盤調整、○○分○○円、お勧めは□□分という煽り文句も意味が分かりません。
ま、私自身がそもそもの施術技術として積聚治療という鍼灸の技術から入っているので、個別の調整ってそこまでやらなくても体が変われば体の仕組み上、徐々に個別の症状も改善するという実感と体験と実績とがそもそもあるという状態で鍼灸師として活動を始めたので、正直な話「痛いです」と痛みにフォーカスする方って今一つピンとこなかったんです。
どうしてか? Goal=目的って”それじゃない”から。
根本療法系の施術の基本は、体の機能を邪魔しない状態を作る(病に負けない体を作る)ということ。ある意味では体の仕組みと治癒過程を考えると痛みなどはどうでもよいのです。
たとえば、
1.体の歪み
2.筋肉のこり
3.浮腫み
4.重心軸のブレ
5.内臓症状
これって体の機能邪魔されていますよね?
だって、症状、状態として現れていますから。
一方で、「”痛み”って体からの警告でしょう? なかったらむしろ大変ことになるじゃない?」という当たり前のことを一般の方は知らなさすぎるのです。まあ、よくよく話を聞いてみると自称を含めた施術家の方々の中にも知らない? 忘れている? 方が多く、施術中に「まだ痛いですか?」、「まだ痛いですか?」、「さっきと比べてまだ痛いですか?」とか実に”痛そうな聞き方をする”ものも現実にいます。
痛みは必要がなくなれば、すっとなくなります。
不必要な痛みがずっと残っている場合、それは自律神経系の機能低下が疑われます。
ですが、”痛み”が完全に取れないことは、傷んでいる以上、ごく”当たり前”のことであり自律神経系が正常に機能している証左になります。
ということは・・・・・・
自律神経系の反射調整をしてみて、痛みが取れたら、もうその”痛み”は要らないということ。
ただ、これだけのことです。
だので施術を考える際、”痛み”を確認すること自体は、現状把握の一環として必要ですが、痛みを追うことはさほど意味がないということになります。
積聚治療の創始者であり、恩師の一人でもある小林詔司は、「指標が変化しなくなるまで、調整を行い、変化しにくい、変化がなくなった時点が施術の終了」と当たり前のように授業で話していましたが、これは当たり前のことを当たり前に話してくださっただけです。
やり方は若干異なりますが、この点について忠実に守っているからこそ、なぜか「難しい」と言われる鍼灸の技術で私こと泰心堂 藤井は当たり前の効果を当たり前に上げ続けてこれたわけですね。
ちなみに私の場合、積聚治療を残積処理まで一通り行うと今なら平均で20分ほどで施術が終わります。これは積聚治療の場合、検査と確認が施術の流れに埋め込まれているのでこの時間になるだけで、調整という意味では一か所あたり数秒程度の話になります。
泰心堂の施術は、体の機能回復を目的とした施術をしているだけ、なので、あとは体が回復できる部分を自ら勝手に回復していくだけ。
邪魔をしないので、効果が大きく出る。
この考え方は徒手療法でも同じです。
症状、痛みのある場所をあちら、こちらとやっていくと累積したダメージでむしろ悪くなる(疲労度合いが強まり、回復力が発揮されない)なんてことが起こりえます。
刺激すればするほどそれは侵害刺激=ダメージとして体の蓄積されますから。それも皆さんが声高に叫んでいる”(自然)治癒力”なるもので回復しなくてはならないわけで、回復させたいのに回復させなければならない箇所を増やす施術をいつまで続けるのかな? というのが正直なお話です。
私が〇分 〇〇円の施術を選択しないのもそのためです。
むしろ○○分かけなければならないという意識が、やりすぎを生みます。ならば、60分で施術をしてむしろ疲労蓄積状態になってしまうくらいなら、15分で調整をピタッと決めて体の力を邪魔しない状態にした方が効率的であり、効果的であることは言うまでもない。
そのためには、刺激方法、刺激手順、刺激量、あるいは刺激というもの体というものに対する考え方すら変えなければならないでしょう。
何度かお話していますが、泰心堂の開発した高麗手指鍼術を応用した瞬間矯正術は検査数パターン、基本調整3パターンで、検査はどれだけ行うかで時間はまちまちですが、調整は特殊なテープ(院内で行う場合は)を貼付ですから数秒の世界。貼付程度の接触刺激で十分な効果がでます。
何故効果が出るか?
体の機能が邪魔されない状態が反射的に作られるからです。つまり、
1.体の歪み → 減少
2.筋肉のこり → 減少
3.浮腫み → 減少
4.重心軸のブレ → 左右差が減少するので安定化
5.内臓症状 → 改善が期待できる
という形が作れるからです。
事前検査で検出した体の状態を脳脳幹=高次中枢に認識させ、調整(接触刺激)を通じて脊髄反射、脳幹反射(高次中枢による反射)が起こり、認識された体の状態を再認識しようというリアクションが起こり、自律神経系の仕組みにより体の最適化が図られるからです。
あとは体に任せればよいのです。
根本を調整することでこれだけ変化するのなら、一部の症状を除いて局所へのアプローチってそれほど必要だろうか?
そういう視点は大事だと思います。
最後に根本療法の”根本”についてお話をしておきますが、ここがズレていると自称根本療法どころか、妄想根本療法になります。
根本については施術者自身が再定義しなければなりません。
例えば泰心堂の場合は、開業以来、一貫して体の機能が十全に働いている状態=健康というのが基礎にあり、機能不全、機能低下状態を冷え(自律神経系の不調)という言葉でお話しています。この状態に陥ると
1.疲れやすくなり、補正のために体が歪む
2.歪みは筋組織の緊張、弛緩によって作られる。
3.歪むと体液循環が不良になり、むくみを作る
4.歪み、筋緊張、浮腫みは持続的な体の偏りを作り、重心軸がズレ、動作に偏りが生じる。(左右差が増大する)
5.日常的に負担にさらされて内臓にも影響が出る。
と考えて、体液循環および、経絡循環の回復というのが泰心堂的な根本療法の基準になります。
その過程、歪みやすいポイント、動作不良を起こしやすいポイントである上部頸椎、仙骨などの調整も具体的な処置として必要となるというのが全体構成です。
だので泰心堂の施術を受けると、患部に触らなくとも痛みが提言したり、筋緊張が緩和したり、気持ち悪さが抜けたり、身体パフォーマンスが一瞬で向上(元に戻る)したりするわけですね。
ちなみに美容もまた同じ理屈をベースに構成すると美容鍼、顔の整体なども硬化がしっかりと出るようになります
この辺がぶれていると、お題目で終わってしまいます。
さて、論理構造と結果とがしっかりと考えられている、合理的な泰心堂の施術と、本人も良く分かっていないのにただ施術的行為を繰り返しているだけの自称施術家の施術。
どちらを選びますか!?
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