クラニアルテクニックでの頭痛の施術の例
おはようございます。
からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂 藤井崇次です。
午前中に投稿できるかは少々不安がありますが、挨拶はこれで行きたいと思います。
ええと今回のお話は、『クラニアルテクニック(頭蓋骨調整法)での頭痛の施術の例』というタイトルで詳細ではなく、ざっくりとした話を書きたいと思います。なにせ詳細を書こうとすると個人情報満載になってしまいますのでその点はご容赦ください。
画像はイメージです。
あと注意事項ですが、あくまでも一例ですので、必ずしも皆様同じ効果が出るとは限りません。というか同じ人間ではありませんし、まったく同じ症状、同じ悩み、同じ体の状態ではありませんのであくまでもこんな例があったんだ程度に読んでください。
30代 女性 市川市より
10代から偏頭痛に悩まされる。
主訴:頭が重い。頭痛がする。ここ数週間ずっと。※原文ママ
指標=目印:
〇頭部拡大(指1.5横指、概算で頭頂部での指と指との隙間が約2.5cm程度)
〇頭部相反手技で可動性を確認、右側頭部回旋時に硬さを感じる。→可動域狭小化、硬化の可能性
〇右上天柱、脳戸(頸椎1番ー2番近位)に緊張
〇両足むくみ確認
〇筋反射テスト(腕、脚)で右腕、右足が極端に弱化
〇両足挙上テストで角度30度程度で引っ掛かり
〇経絡の圧痛反応の確認で、右肝経に顕著な圧痛あり。
〇みぞおちに圧痛反応
〇肝領域の緊張
〇背部極端な歪みはなし。
〇右腎兪付近に緊張
そのほか、脈、FTなどのキネシオロジーテストなどを行う。
施術の流れ
1.チェック
2.クラニアル系調整
3.経絡調整
4.再チェック
施術
1.頭部拡大状態=頭蓋内圧上昇状態=脳脊髄液の滞留と考えて、脳脊髄液(CSF)の排出と新生を促す。前頭骨プレス→前頭骨V→後頭骨屈曲伸展→肝チェック→側頭骨アンクルトム→縫合リリース→頭頂骨屈曲伸展→相反と動かして、頭の感触がかるくなったところで終了。
2.術前にみていた指標をさっとチェックして肝経の反応が残っていたので経絡調整
3.頭部確認。頭の重さが増していたので後頭骨牽引→バランシング→相反チェック→頂リリース→前頭骨前方牽引→蝶形骨調整で再度頭が軽くなるのを確認して終了
4.再チェックへ
正直な話、初回では劇的な効果はその場で感じられなかった。「なんとなく軽くなった感じ」というのが本人の感想。
2回目に若干テクニックの変更(状態に合わせたもの)を行い、同様に調整。ここではっきりと「重いのがありません」と言われました。
3回目の来院時には「もう全く痛くありませんし、重くもありません」とのことでこの回は軽めの調整となりました。
泰心堂では「6回は通ってくださいね」と言っているのですが、この方、3回で終わってしまいました。正直経営的には、広告費やコストのことを考えると微妙な売り上げですが、まあ調子が良くなったのは何よりです。紹介に期待したいと思います。
ちなみにこの方偏頭痛持ちではあるが、偏頭痛に多い三焦経、小腸経の側頭部パターンではなく、鍋被り様=鈍重+鈍痛の痛みなので経絡病証的には典型的な肝経頭痛。
経絡調整ならば、肝経から反応する経穴を選択し鍼を置くパターン。手を留めるのは数呼吸で良い。それで脈が整い、経絡反応は忽ち消失するというのが経絡調整ー本治方のパターン。
※実際にこの例でも経絡調整に使った鍼は1本、1~2箇所。2~3呼吸ってところ。
だけどここ数年のクライアントは反応が鈍い方が多いうえ、(施術者側も、患者側も)何かと手数を掛けるのが良いことだという妄執に取りつかれているので、シンプルな方が効果的な場合でもついつい手を掛けなくてはならないような気がしてくるので始末が悪い。
で、ここ数年クライアントの様子を観察してわりとはっきりとした特徴として頭部拡大状態が確認されていたので、これを即効的にどうにかできないかと考えてたどり着いたのが、頭部系の調整術。
頭部の基準はいろいろ(歪み方や関節のアライメント自体や屈曲伸展リズム他)あるが、頭蓋内の構成バランスとして、変動がありそうなものは血液、リンパ液、そして脳脊髄液。これらの流入量が変化することによって内圧に変動が起こり、硬膜、くも膜などの膜に掛かる圧力や頭蓋を止めている筋腱の緊張などが流動的に変化していると考えられる。
※膜、筋などはそれ単体では収縮方向の動きしかしない。骨は単独で動くことはできず筋運動に伴い位置を変えるから
中でも重要と考えたのが、脳室内で産生されて脳腔・脊柱管を満たし、脳・脳幹・脊髄神経を保護し、末端で再吸収される脳脊髄液。
考えてみれば鍼灸などの反射療法は人の体の自律神経系の自己修復・調整システムを利用することで治癒を促しているわけであり、そもそものシステム自体に異常があり、それが高次中枢に及んでいる場合は効果自体が出にくいのは当然。
脳腔に脳脊髄液が滞留し、脳・脳幹を圧迫していたとしたならば、継続的に圧迫ストレスにさらされている脳・脳幹の機能が十全に果たされるだろうか?
クラニアルテクニックは脳・脳幹の脳脊髄液の排出と産生を促し、良好な循環状態を作ることにより、脳圧を適正状態に戻し、機能低下状態が解除されることを期待し、その結果として自己修復・調整システムが十全に働けるようになり、自己治癒を促進するという概念の技術。
鍼灸もまた同じシステムを賦活する技術ある以上、脳圧上昇ー脳圧迫ストレス状態を解除したほうが効率的であることは論理的に矛盾しない。
ゆえに、泰心堂ではクラニアルテクニックと鍼灸とを組み合わせることで、本来の力が発揮しやすい状態を作ることで、自然な治癒を促進することを目的とした施術を構成しています。
今回はこの辺で
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