クラニアルテクニックと高麗手指鍼術
どうも、からだのエンジニア & からだの専門家 鍼灸師 泰心堂こと藤井崇次です。
実は昨日、PCを変えまして、新PCでの投稿です。ちなみに機種はInspiron 11 3000 2in1 Core m3-7y30+SSD128GB モデルです。ちょっと容量が少ないのとメモリーが4GB固定なのがマイナスポイントですが、持ち歩くことと価格を考えるとこんなところかな? というのが感想ですね。
さて、本日のお話はクラニアルテクニックと高麗手指鍼術ということでうちの基本パターンその2のお話です。ちなみにうちの基本パターンその1はDRT+泰心堂式経絡調整術になります。
基本パターン1はわかりやすさ重視なので、痛み疾患や「ここが悪いです」とお客さんが患部を指し示すような症状、状態にのときに使い、基本パターン2は体質由来疾患の場合といった使い分けをしています。
まずはおさらいですが、
1.人が病気状態になるのは、ストレスに体が負けるから。
2.ストレスには気候・環境ストレス(外因)、心理的ストレス(内因)、体力・ケガ・精力など肉体的ストレス(不内外因)とがある。
3.本来は、体の自己修復力(修復機能)があるため、ストレスに負けない。しかしながらストレスが強大であったり、疲労が蓄積していたりすると、ストレスに体が負け疲労が溜まる。
4.自己修復機能のことを気血(東洋医学)、自然治癒力(ギリシア医学、現代医学)、生命力(別名イネイト、カイロプラクティック)、復元力(ほねつぎ)などという言葉で表現することがある。
5.疲労が溜まり、蓄積疲労状態になると、ストレスによる緊急反応が起こりやすくなる。(詳細はハンス=セリエ ストレス学説にて)
6.結果、病気状態に陥る
7.この状態は体の(脳の)機能低下と表現されることもある。(積聚会 小林詔司、パーフェクトクラニオロジー協会 宮野博隆など)
施術の目的は、ほかのところは”痛み”を基準にその場しのぎの施術をしているかもしれないが、泰心堂では初めから一貫して、ストレスに負けない体づくりが大事だとお話ししています。
言葉にすると、弱点があるとしても、症状が出ない状態を維持できる状態を目指すということ。
たとえば泰心堂はりきゅう院で取り扱いの多い頭痛・めまいの症状。これは頭痛やめまいという弱点があることは本質的には変わらないが、調子が悪いから出るのであって、調子が良ければ症状が出ない。つまり、調子が良い状態を維持できれば、頭痛やめまいにおびえる必要はないということ。
だから症状改善を目指す集中施術期間を卒業しても、定期的にメンテナンスしようとお話ししているわけですね。
さて、ストレスに負けなければよいとは書いたが、具体的にどうすればよいのか?
〇ストレスに負けるのは疲労が蓄積しているからである。
→蓄積疲労の回復というのが施術の目的
どうして疲労が蓄積しているのか?
→ストレスが許容量を超えている
→回復力が低下している。その結果、さらにストレス許容量が減少。
→負のスパイラルが発生中。
どうして回復力が低下するのか?
→栄養が足りない。
→水分が足りない。
→(自律神経系を含む)脳機能が制限を受けている。
どうすれば回復力が向上するのか?
→栄養補給
→水分補給
→脳機能向上と制限要因の解消
何が脳機能の低下を引き起こしているのか?
→全身の水分(脳脊髄液、血液、リンパ液など)の循環が悪い
→水分滞留、むくみによる圧迫ストレス
→頭部拡大(頭蓋内圧の上昇と圧迫ストレス上昇、脳脊髄液循環異常)
→筋関節の運動制限を含む機能低下、筋の異常緊張による収縮と牽引
→神経系への圧迫ストレス
→内臓機能低下による内臓体制反射、内臓体表反射
など。
これどこからアプローチしても結果が伴えば良い。
泰心堂の場合は、わかりやすく
1.頭の状況改善 → クラニアルテクニック
2.首の状況改善 → 上部頸椎(間接的)調整
3.体のバランスの改善 → 経絡理論に基づく均衡調整
の3ステップで観察し、変化を促す。
ああ、長かった。本題と前置きのバランスが逆ですよね。ま、ご容赦ください。
今回のお話は、クラニアルテクニックと高麗手指鍼術。
クラニアルテクニックは頭蓋骨にコンタクト(接触刺激)をすることで1次呼吸(ざっくりと骨のリズムと思ってください。)を認識させることで、反射的に頭蓋内のバランスの変化を自律的に促すテクニックで、具体的には脳室などで血液から産生され、脳脊髄を保護し、筋神経などの組織に再吸収される脳脊髄液の循環が改善するといわれています。
高麗手指鍼術は従来型の患部に直接鍼を刺すような鍼術と異なり、手掌を体に看立てて、手掌(てのひら)を用いて全身を調整する韓国発祥の鍼術。主として脳神経系の反射を促すことで患部の状態を変えるところが大きな特徴。逆に脊髄反射は起こり難い。というか起こっても腕にかかわる頸椎5~7胸椎1あたりの腕神経叢の反射になる。なので高麗手指鍼術の作用機序としては一度、脳神経系、中枢神経系に刺激が入り、そこから反射調整されると考えられている。ざっくりとデメリットを書くと患部の傷が原因で痛む外傷性痛み疾患にはあまり効果が出ないことがある。
当然、デメリットを踏まえたうえで、泰心堂では患部挫傷などを原因とする痛み疾患にはまず使わない。こういう症状は患部に問題ないことを確認したうえで、お灸でもすればさっさと痛みが引く。わざわざ鍼灸院やそのほか治療院に行くまでもない。
一方で、原因不明疾患や難治性疾患といわれる自律神経系の異常症状や内臓疾患(機能障害に限る。欠損とかは適応外)などではよく用いる。
泰心堂では、頭痛・めまい、メニエール症候群、アトピー性皮膚炎、喘息、過敏性腸症候群、更年期障害、不妊症、原因不明の動悸などは通常の一般的な鍼術や経絡調整術よりも高麗手指鍼術の技術を優先して適用しています。
また、現場での実感レベルで申し訳ありませんが、クラニアルテクニックを用いた場合と用いない場合とでは、直後の反応が前者のほうがよいように思います。
例えば肋間神経痛を訴える40代女性、処置としては肋間神経痛の相応領域に対して皮内鍼を固定。
前者は直後から痛み消失。VAS10→0
別の日に後者のケースで同様の肋間の神経痛に対して固定するも直後効果はVAS10→8程度。その後、別の施術を追加した後(約15分後)、VAS3まで軽減。
3回ほどこういうケースが観察されたので、以降はクラニアルテクニックをできるだけ併用するようにしています。
長くなったのでこの辺で
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