改善、改善って脅迫だよね。むしろ適応していくことが大事。

 ども、からだのエンジニアことからだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。ただいま出先から、本稿を書いています。

 先日の土曜日に無事、コロナワクチンの1回目接種が終わりまして、昨日は右腕に違和感を感じながら普通に仕事をしていました。細かな話をすれば、まだ違和感は残っていますが、「何かここにあるんじゃね?」クラスの違和感ではなく、「まだ動きが悪いところがあるよね」程度。

 ま、こんなもんでしょう。


 さて、本日のお題は『改善、改善って脅迫だよね。むしろ適応していくことが大事。』ということで、結構長めのタイトルですね。


 なんというか、「改善」、「改善」とか言われると、今現状が悪いことなのかのように聞こえます。

 でも、現状ってある意味で結果なんで、当たり前であって、悪いことじゃないんです。

 体にとって悪いことになってしまって現状に至っていることで、現状ってのは体が何とか自助努力した結果なんです。ある意味で「ここで踏みとどまっている?」みたいな。


 痛みや不快感を表に出すことによって、無理ができない状態を心身に知らせ、それ以上アクセルを踏まないようにする仕組みだったはずなんですけどね。


 皆さん、現状=最悪→改善!とつなげてしまう。


 でも必要なのはそうじゃなくて、職場に話を聞いてくれる上司が必要なように、からだにも現状を理解してくれる上司が必要なんです。


 まあ、めったにいないんだけどね。


 で、現状=最悪→改善したい!と改善した状態がどういう状態であるかもわからずに喚いて、かえって自分を、自分の体を追い込んでしまうってのが良くある話ってもんだ。


 さらに、自称治療家たちの勘違いも相まって、「とりあえず体痛めつけおけば痛みも不快感もわからなくなるから改善した気になるでしょう?」とまあ、時間ばかりが掛かって根拠のない施術もどきを繰り返すことになる。

 で、笑えない話、時間がかかる分だけ単価が高くなるわけでもなく、施術者側もディスカウント競争で結局疲れていく。あるいは憑りつかれていくという悪循環。


 まあ、ぶっちゃけ話。私自身も施術に時間をかけないことを至上としているわけでもないので、時間をかけることもあります。

 うちの場合、挨拶、次回予約、会計含めて基本30分枠なんですけど、必要があれば頭蓋調整一か所のみで30分とか掛けることあります。

 ええだって、ここでよいとキネシオロジーのテストを利用して、同意を得たのに反応がなかなかでなくって、出たのが29分33秒とまあ中途半端な時間。ええ、時計見ながら時間を測っていましたが何か?

 ちなみに別の機会にはこの方、セットして30秒で変化出たので、次の工程に移り、合わせて施術15分で終わりなんて回がありましたね。

 でも、それでよいのです。


 別に、短時間施術が良いわけでもないし、その場で改善した気にならないといけないわけでもありません。


 そうではなくて、私たちの仕事ってのは、どういう悩みを抱えてきた人であれ、

1.目の前の体がどういう特徴を持っていて、現状どうなっているのかをチェックする。施術者、被施術者ともに現状を認識するということがまず第一。

2.チャレンジ、アジャスト、調整何でもよいのですが、アクションを加えて、リアクションがどのように出るのかを観察する。

3.1.、2.の手続きを繰り返し適当なところで切り上げる。

こういうことをしているだけです。


まあ、なんというか、

「現状、こうですよね?」(現状認識、快/不快)

「こうしたらどうですか?」(調整、快/不快)

「今、こんな感じですよね?」(現状”再”認識、変化の確認、快/不快)

からだに対してこういう感じの問いかけをしているようなイメージ。


ヒトの体って、快/不快を判断し、快方向へ向かうという性質を持っています。

向かわないのは、それ以上に疲労が蓄積しているか、快/不快を認識できていないのか、そんな場合じゃないのかのいずれかと考えてよいでしょう。


こう考えると「改善」、「改善」と繰り返し言われるのは、急き立てられているというか、焦らされているようで不快ですから改善したくなくなる!?のも無理はないのではないかと。

まあ、半分冗談ですけどね。


実際問題として、施術者側の話をしても「改善」を求めて手技の構成をすると、そのうちしんどくなります。どれだけ体が変化しようと、今までできなかったことができるようになったとしても、改善したかどうかは顧客の主観の問題なので、本人がそれを自覚できない場合は「改善していない」ことになります。


ええ、脊柱管狭窄症という名前をもらって「30分も歩けないんです。ちょっと駅までと出かけても途中で腰を下ろさな、足がよう動きません」とどこの方言だからいりませんが、独特の言い回しで来院された60代男性。

たまに、来院されますが、来るたびに「ちっともよくなりませんな」とおっしゃる割には、「高尾山登ってきたとか」、「富士登山を予定している」とか言っているんですけどね?

本当に「改善していないんですか?」と言いたくなりますね。


でも、こんなもんです。


なので、よくわからない改善ってのは無理に目指さなくてOK。

むしろ生活上、あるいは仕事上、できなかったことができるようになったという”適応性変化”を見ていく方が大事です。


とまあ、今回はこんなところかな。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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