最小刺激×最大効果→最適効率!?
どうも、からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。いよいよ明日から、例の企画スタートということで、自宅でチェックリストの確認中。
残念ながら、鍼灸部門のイベントではなく、徒手調整術研究部のイベント、要は整体術になります。系統としては筋膜リリースでも、骨接ぎや関節調整、腱引きなどではなく、カイロプラクティック系の技術です。
明日の分につきましては、受付終了しましたので、明後日以降施術希望者はメールで連絡をください。
申し込み先やイベント詳細は下記リンクからお願いしますね。
さて、本題。これは、泰心堂式の施術を組み立てる根幹というか本当は、鍼灸も含めた徒手調整術というより、からだ自体の仕組みに基づいたお話なのですが、そもそもの話、治癒って何だと思います!?
よくある自称治療院や自称治療家は、自然治癒力って言葉や、気血、経絡、エネルギー、イネイトインテリジェンスなどなどいくつもの言葉でまあ、いろいろとごまかしていたり、しますが、人は、ひとのからだの仕組みと機能で維持されています。
東洋医学のからだがあるわけではなく、カイロプラクティックで考える体があるのではなく、ほかの代替医療の概念に基づくからだがあるわけでもなく、そこのからだがあるだけのことです。
つまりは、私たち鍼灸師が施術をする際に、東洋医学に基づいた施術だから治るというのは意味不明な言葉であるということです。どうように経絡や経穴、陰陽五行論、蔵府経絡論、脾胃論などなど鍼灸学校で習う専門用語もまた「昔はこういう言葉を使っていたよ」という古語の世界にすぎません。もっと辛らつな言葉をあえて使うのならば、便利なツール(妄想)に過ぎません。
その一つの示唆として、多くの鍼灸師が大事だという脈診を全くせずとも結果は出ています。病的体質論を全く無視した太極療法=誰が来ても、どんな症状でもとりあえずこれやっておけ療法が成立しえます。また鍼灸学校方式の六部定位比較脈診と瀕湖脈学派の脈診のように脈位配当が異なっていても施術として成立しますし、男女反対脈でも男女同脈でも施術として成立してしまっています。
そのうえで、このギャップは何だというのでしょうか?
何度も私はお話していますが、からだはからだの仕組みと機能によって調整維持されます。
すなわち、わかっている部分においては解剖学、生理学、病理学を前提とした合理性があり、再現性がある仮説において考えるべきことであり、わからない部分はのちの解明を待つか、現場的対処の集積から考察を深めるべきことだということです。
現場における噂、妄信、妄想に寄ることなく、論理的基準に基づいて現場の対処を行おうという態度こそが合理的かつ再現性のある施術の確立に至る道筋だと考えています。
では、再び、治癒とは何か?に立ち返りたいと思います。
これに対する私 泰心堂は、組織の修復と調整、環境への適応性変化であると答えます。
ならば、私たち施術家は何をしているのか?
多くの治療家!?は「直している」あるいは「治している」と答えるのかもしれませんが、私の答えは、現状を確認している(現状認識を促す)というものです。
何故ならば、殴って人は治りません。切り裂いて人は治りません。痛みを与えたら痛いだけです。
痛みや動作不良を起こすのもからだの仕組みと機能であるように、治すのもまたからだの仕組みと機能に基づいた”当たり前の”生理機能の働きの結果です。
このへんは、中学高校の保健体育や生物の範囲内で皆さん常識あるいは教養として学んだことです。
なのに、何故かマッサージや整体や鍼灸、接骨など徒手調整術の業界では、勝手な理屈がまかり通っています。
「痛いような気持ちが良いような感じが丁度良い力加減」
「体重をかけてしっかりとおすと解れる」
など、からだが壊れる方向の話ばかりを繰り返し、客を怪我人(患者)にしてリピートさせようとします。
少なくとも物理的な刺激をする療法において、その刺激方法がどんな刺激であれ、からだにとってはダメージ(体を傷つけるもの)です。
時間を掛ければかけるほど、刺激をすればするほどからだが壊れるリスクが増大するのは当たり前です。刺激は必要十分、最低限であるべきです。
では、どうすると治るのか?
これも明解です。からだが現状を認識し、修復、調整が必要だと判断し、生理学的な機能によって、組織器官の修復と調整、現在の環境に対して適応するための変化が起こり、からだが現状に対して最適化された状態を治癒と言います。
これが、自律神経系の働きだからです。
逆説的にいうと、からだが現状を”問題だと認識していない”(=誤認識)から、病・怪我の状態のままでいる。あるいはそういう状態だと判断されているので、痛みや不快症状があり続けている=普通の状態と判断されているのです。
だから、私たち施術者は、現在の認識ってあっている?と体に聞けばよいわけです。
例えば、
〇頭がぱんぱんに大きくなっているけど、これって正常?あるいは頭の関節の動きが悪いけどこれって正常?と体に聞くのが頭蓋骨調整系のテクニックです
〇頭と首の関係を見てみると、首の上の方が歪んだり詰まったりしているけどこれで良いの?と聞くのが上部頸椎カイロプラクティックなど頸椎調整系のテクニックです。
〇背骨の見かけ上の歪みや動作不良を指摘して、これでよいの?と体に伺いを立てるのが、脊椎調整あるいは背部調整系のテクニックです。
〇仙骨・尾骨の位置関係や動作などについてチェックし、これで良いの?と体に聞くのが、骨盤調整系のテクニック。
そのほか、関節や筋肉の弾力や可動性、神経興奮や神経反射などまあ、いろいろと現状確認をする方法があります。
これらの異常もまた、交通事故などの外傷性のものを除き、原則として頭がそういう状態であれと調整しているからそうなっています。
ちなみに鍼灸はというと、経絡、経穴、蔵府などはもちろん、皮・肌肉・血脈・筋・骨など様々な物差しで、様々な角度、深度で現状を確認し、自動的な調整を促すものであり、その結果の説明を自然の移り変わりや気候、要素などを絡めて説明して一つの物語を作ってきた伝承的医術の一つですね。
その本質はあくまでも、自動的な調整であり、経絡に特定の効果はありませんし、経穴に必ずこの臓器に効果が出るなどという対応はありません。
さて、本日はこのへんでまとめに入りましょう。
最小刺激×最大効果→最適効率を目指す泰心堂式。
ここまでお話した通り、
0.からだはからだの仕組みと機能によって自動調整されます。
1.現状それがなされていないのは、からだの現状認識に問題があるから。
2.施術はからだの現状再認識を促すもの。
3.事前検査をし現状を確認。
4.調整的刺激を入れ、再検査を行うことで現状の再認識を促す。
5.その結果、現状で回復すべきと判断された状態が自動的に調整されていく。
6.そのために必要な刺激は最小限で良い。
7.最大効果を生むために、前後の変化をしっかりと認識させる必要。
8.一か所の刺激に対して、連鎖的に変化するいくつかの箇所を利用する効率的な施術を組み立てることが可能。
ほかにも再現性の高い施術の構築のために気を付けていることはあるけれど、今日はここまで。
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