質問に答えます。その81 証立てがわからないときの対策
おはようございます。からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)です。
ども、お久しぶりです。
最近は、年末年始に向けて準備と仕込みでまあ、ばたばたしています。
で、たくさん質問メールをいただいているのですが、さすがに全部に答えている余裕はないのでピックアップしていくつか答えておこうということで、連続して『質問に答えます。』になっていますのでご了承ください。
さて、本題、こんなメールをいただきました。
「泰心堂先生、お久しぶりです。覚えていらっしゃいますでしょうか? 10年ほど前に患者としてお世話になっておりました○○です。当時はめまいで非常に苦しい時期で、先生に巡り合えたことは今思っても非常に幸運なことでした。」
ええ、めっちゃ褒め殺しのような感じで始まったメールでしたね。ちなみに凄いのは私ではなくて、この方の”からだ”。からだって自らを最適化しようという仕組みを備えていますので、スイッチが入ると自ずとより良い状態で安定しようとします。なんで勝手に治っていくんですよね。
「さて、私は現在、鍼灸師になりまして○○先生の下、日々学んでいます。もう、かれこれ××ほどになりますが、未だ脈診がわからず、証立てが今一つなのか思うような効果が出ず、なかなか半人前を抜け出せないような感触があります。何か、この状態を抜け出すアドバイスのようなものをいただければ大変ありがたく思います。」
あとは定型の御挨拶なんで割愛。久々にいただいたとても丁寧なメールだったのでピックアップしてみました。
では、私の回答の要旨を書いておきましょう。
〇脈診は必要ない。脈診をしなくともよくなることも多々あるのだからそれは明らか。できると便利なツール程度と思って、目の前の顧客の状態をしっかりとみましょう。そのうえで自他ともにわかりやすい指標(サイン)を活用して変化した/しなかったをしっかりと認識し共有しましょう。
〇証立ても、必須ではないので時には無視してOK。そもそも証という考え方は後付け、説明と指導のために考えられたものであり、演繹的に結果を保証するものではない。あとから考察してみて、「そうだったっぽい」というためのもの(帰納的)に過ぎない。
〇ひとのからだは”東洋医学で治るのではなく”、ひとのからだの仕組み(構造と機能)によって自ずと維持・調整されるものであって、なかなか治らないものは、そもそも治らないもの(構造的欠損など)か、からだ自身の認識がズレていることで治さなくても良いものであるからである。私たちが扱うのは後者であり、認識のズレをからだに問い、からだが反応した結果として治癒に至る、ただそれだけ。
もう少し具体的にも書いて返信しましたが、このような話をするとわりと”まじめ”な鍼灸師の先生方から多数ツッコミをいただきます。
でもさ、じゃ、なんで太極療法なんてのが成立するの? ロジック違ってもなんで同じような結果が出るの?
個人的には、神経の反応速度を考えた時、置鍼の役割ってのはどう考えるべきかなども考え直すべきではないかと思います。
ちなみに私の施術ではもはやいわゆる経絡治療的な証立てを必要としていません。
体の中のチェックポイントをいくつか設定をしておいてそれがどう変化するかだけをみています。
変化していたら、裏側に働いている仕組みがあるので、それをもって結果の判断をするし、あるチェックポイントが変化しなかった場合に、別のやり方をしてみて再判定したり、あるいは今の時点では変化しなかったと判断すればよいだけのことです。
「脈診できなければ鍼灸師じゃない」的な指導を受けたという話をたまに伺いますが、それっていかがなものでしょうかね?
その理屈だと「必要な技術を身に着けさせることができなければ指導者じゃない」って話も成立しますよね。どうすんですかね?
ぶっちゃけますが、施術者になってまずほしいのは、理屈じゃなくて結果。理論や技術は結果を出すためにあるものなので、まずは結果が出る武器が欲しいわけです。
脈診で結果が出ないのならば、いったん横に置いておいて結果の出るやり方をすればよいと思うのですけどなんで脈診とか立証にこだわるのでしょうか?正直、意味不明ですね。
そう意味では整体業界の方がうまくパッケージ化ができているように思います。
お世話になっている上原宏先生のところの日本DRT協会のメイン手技、DRTもオールインワンタイプですからね。
逆にいうと、なんで、鍼灸の技法ってパッケージ化しにくいのかが疑問なんですよね。
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