質問に答えます。その92 検査で何をみているの?

おはようございます。

からだのエンジニア&からだの専門家 鍼灸師&整体師 泰心堂こと藤井崇次です。


ええと、今回はですね、日ごろからお話している検査、再検査、変化・反応を診るという言葉のお話ですね。

正直、これ施術にとっては初歩だと思います。

「なんで今更~」という気持ちもあります。

まあ、そうはいってもね、バックグラウンドですでにこの手のメールがかなりの量たまってしまっているのでそろそろ応えたほうが良いのかなと。


まず大きな間違いがですね、施術家の皆さんってなぜか”不健康な方ばかり診よう”とします。

この時点で、センスがないですよね。不健康な状態は本当にいろいろで、原因も、課程も、経過時間やらストレスの種類と比重なども、本当に様々です。そんなものは基準になりません!


私が気にしているのは”差異”です。


病気や病気の体をいくつもみて覚えるよりも、健康体、基準となる状態を目に焼き付けた方が簡単なんです。


ええ、骨格・筋の分布、神経の分布は大まかにとらえるとみんな一緒と言ってもよいわけで、だったらだいたいこんな範囲に体が収まっていれば健康と考えてよいわけです。


つまり”この範囲だったら正常”という考え方です。


逆に病気・不調というのは生活やらアクシデントやら個人的な習慣や事情により起こっているものであり、現われ様は千差万別、十人十色。

なので同じ状態を探すのはとても面倒。


そういう視点で考えたとき、

0.本人が訴える違和感・不快感・痛みは何か?

1.見た目でおかしな部位はないか?→姿勢、関節の可動域(ROM)

2.過敏反応、鈍麻反応がないか?→痛み・不快感など

3.筋弱化反応はないか?→ちゃんと筋肉が正常に働いている=神経系が過不足なく働いている状態。施術の概念上内蔵不調も類推できると考えられる。


一応の対応を書くと

1.聞診、問診

2.望診、切診

3.問診、切診、(聞診)

4.切診

といわゆる東洋医学の四診に対応させています。


そしてVAKモデルにも対応させています。

V:Visual 視覚

A:Auditory 聴覚

K:Kinetic 身体感覚、体感

でVAKですね。詳細はNLP系の書物などでどうぞ。


で、なんでこんな面倒なことしているの?とか施術者が分かればよいのでは?とかまあ、言われる方多いのですが、


何度も書いているように、治しているのは施術者ではなく、顧客本人のからだであり、その中枢はあたま(脳・中枢神経系)だからです。


症状が良くならないのは

1.認識できていない

2.よくなりたくない。(スイッチングとか言われることも。不調でいることに利益がある場合。※通常は無意識化で行われるので当人の顕在意識上に上ることは稀)

3.余力がないなどで現在回復できない

からです。

通常は1.と3.ですね。心因性のもので2が原因となる場合もあるってくらいですね。


あとは栄養と休養がしっかりと確保できていれば大概の不調は自ずと治ります。

ええ、だってからだの仕組みがそうなっていますから。


鍼灸を含めた、徒手調整術はとても簡単です。

例えば私も会員ですが、日本DRT協会の上原宏先生のDRT(ダブルハンドリコイルテクニック)は非常にシンプルです。

三大徴候の圧痛検査→調整→確認でざっくり10分かかりません。

これだけでからだの最適化が自ずと進み、結果、体調がよくなっていきます。


難しくしているのはそれで利権を得る既得権益者であり、難しく考えているのはその手前の人たち。


で、困った挙句、「とりあえず力込めれば・・・」という発想へ。


困ったもんだ。


先日、「腰が痛い」、「足が重い」と来院された80代男性。

三大徴候は下からA・R2、S・R3、C2:R

※Rは右。2,3は〇箇所目、C2は第二頸椎回旋偏位のこと


ちなみに腰痛はいわゆる慢性。ここ数十年取れたことがないと。足が重いのはここ1ヶ月。散歩に行こうと思ってもふらついてしまうくらい足が重い。前は5分のところを30分かけてもたどり着けないなど。


施術回数は5回、

施術内容は

1.検査、三大徴候検査など

2.キネシオロジーのテストで調整ポイントと限定

3.頭部調整点への刺鍼 1本数秒。

4.DRT

5.検査事項の再確認

これを繰り返しただけ。


経過

初診:よたよた歩いて来院。アポなし。前傾位。足挙上状態を自力で維持できず。膝30度程度しか屈曲せず。仙腸関節の動き悪し。腰 自覚痛、圧痛あるも目立った筋緊張なし。

2回目:翌日、前日より背筋伸び、明らかに歩行が早くなっている状態で「まだ痛いんだけど、全然変わらん」と。

3回目:さらに翌日、「痛くて痛くてたまらない」とスタスタ歩いて来院。

4回目:営業日の兼ね合いで翌週水曜日、「ちっともよくならない」と。週末は用事で出かけてきたそうだ。

5回目:1週間後の水曜日。「急に痛みがなくなったわ。なんで?」と首をかしげながら来院。ROM=関節の動く範囲改善。筋弱化=うまく力が入らない状態改善。


この方はとにかく施術中「腰が痛い」、「足が重い」、「体が固まっている」を繰り返していましたが、まあ、確信もあったので、本人の希望する「腰への刺激」を入れずに、基本的な調整だけで対応。

もちろんサービス業なので、ある程度、顧客の満足度をあげるために対応する必要はあると思いますが、サービスのつもりで行った調整がむしろ蛇足になることもありますので、その辺はよく考えて全体のバランスをとるようにしてくださいね。

習志野市大久保の鍼灸&整体 泰心堂はりきゅう院

臨床経験10年以上、総施術回数は7万回以上。 頭痛、めまい、疲労感を伴う体調不良などの取り扱いが多い各種特殊鍼灸術を用いる鍼灸院 こまつ式高麗手指鍼術、DRTなど認定院 【ご予約はメールまたはWEB予約から】 taishindo@outlook.jp 047-404-5225

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