質問に答えます。　その35 経絡治療って効果あるんですか！？

　ども、からだのエンジニア　＆　からだの専門家　泰心堂こと藤井崇次です。

　はい、休み明け一本目の更新ですね。PCから更新すると写真が少なくて、iPadから更新すると高確率で写真付き。そんな傾向が続いているような気がします。

　さて、本日お話は、ひさびさの質問に答えますシリーズです。

　今回もまた、現役の方、学生の方、一般の方など多数の方からメールをいただきました。

「経絡治療って効果あるんですか！？」

　これってね、よくあるミスリードってやつなんです。

　私個人としては、「施術方法などなんでも良い、安全かつ効果的に結果を出せれば」とよくお話しています。お客様側からしてもそうだと思います。○○療法がよく効くことよりも、自分の家族の友人、知り合いの悩みが改善するかどうかが大事なのです。

　実際問題、私のサロン泰心堂はりきゅう院では一部の顧客限定ですが、デモンストレーションを兼ねて触れずに体の状態を変化させるなんてことも見せていたりしますしね。

　別に触れようが、触れまいがそれで顧客の問題が解決するのであればどちらでもよいのです。

　さて、話を戻しましょう。経絡治療って効果あるんですか！？　という質問に答える前にそもそも経絡治療って何？　という視点をお話しすべきでしょう。

　経絡治療とは、病＝経絡の変動とし、調整的刺激を加えることで疾病からの回復を促す鍼灸術である。

　もともとの定義はこれだけ。なので、実は経絡治療といっても様々なタイプがあるので特徴を一言でと言われてもかなり難しい。

　私自身も表裏50本ほど置鍼していくタイプのもの、両側の要穴に対して置鍼するうもの、あるいは片側にのみ置鍼するもの、複数経を組み合わせるもの、左右それぞれで施術方針を組むもの、鍼一本で順次調整していくものなどいくつかのタイプを修めている。定義さえ共通していればある意味で同じ鍼灸術であるとも言えるが、方式が違うので異なるものであるともいえる。いろいろと厄介なところだ。

　経絡治療系の勉強会で「脈診が大事」的なお話を聞いてきたという方がいますが、別に脈診はしなければならないものではないし、むしろ多くの場合、脈診こそが経絡治療の習得の足かせになっていることを自覚すべきだと思います。

　泰心堂こと私、藤井が考える経絡治療の簡単な習得方法は、

１．経絡病証（よくある症状はこれってパターン）に基づく調整

２．経絡上の圧痛反応に基づく調整

３．動診を用いた動きの中での経絡バランスの調整

４．豊富な臨床経験を根拠とした脈診を含めた自分にとって最適な施術ツールに基づく調整

以上の順に学ぶこと。

　脈は診ても良いが、というか診るべきだとは思うが判断材料として採用するには信頼できるデータが積み上げられているか否かの問題を避けてはならないと思う。

　さて、踏まえて回答すると

　経絡治療が効果がないという主張をするものの多くは、経絡治療方式にて結果が出せない、出せなかった、あるいは出せる気がしないというパターン。

　その原因は出発点が違うこと。

　脈診をして、経絡の変動（虚実など）を見つけて、補寫の刺激を加えようとするから、「脈がわかりません」、「証＝施術方針が立てられません」、「変化がありません」、「効いているかよくわかりません」などの諸々の問題が連鎖するのである。

　そうではなく、

　病を引き起こしている経絡の変動を特定し、あるいは認識させ、刺激を通じて変化を促すのが経絡治療である。

　故に、効くのではなく、効かせるものであるというのが答えになります。

　今回はこのへんで