質問に答えます。その86 どこの鍼を使っていますか?
ども、からだのエンジニア 鍼灸師&整体師 泰心堂こと藤井崇次です。
お久しぶりです。久しぶりの割には今回の記事は主に、鍼灸学校の学生さんかな?こちらからいただいた質問に対する回答です。
簡潔にまとめると
1.泰心堂で使っている鍼の種類
2.なぜ、それを使っているのか?
というお話ですね。
ええといくつか用途によって異なる鍼を用いていますが、そのうちよく使うもの、ある意味で一般的なものについてお答えしたいと思います。
1.泰心堂で使っている鍼の種類
泰心堂で主に使っている鍼は三つです。
1.前田豊吉商店 寸3-4番 銀もしくはコバルト 針先特注
2.ディスポ 短鍼 ノンシリコン※現在使用中のものは在庫限りなので、新しいものを選定中。
3.ディスポ 寸3-3~5番 ステンレス ノンシリコン※ファロスのCタイプ、カナケンのカナディスポ、ユニコのProタイプなどがノンシリコン。I’SSHINさんのは使ったことがありません。
泰心堂の技法は、基本的に鍼管を用いません。また、刺すことを目的とはしていませんので正直、過度に鋭い鍼先である必要性がありません。必要であれば自然と鍼が沈んでいくのでそれに合わせればよいだけですね。
なので、特注の鍼尖は今時珍しい”たまご型”(卵型)。うちになぜか勉強?に来た先生は銀を刺そうとして何本も曲げていらっしゃいましたね。待っていればよいだけなのに。
ちなみにうちは今時珍しいらしい、高圧蒸気滅菌器を持っていまして鍼尖の研磨と滅菌処理を行っています。まあ、ほとんど趣味の世界だね。
さて、現実的なお話をすると、ディスポ鍼+ディスポ鍼皿の組み合わせの方が一般的には利便性が高く、衛生面でも管理しやすいかと思いますので、出張専門やたまに自宅での施術などを行っている方にはこちらの方をお勧めします。
2.なぜ、それを使っているのか?
こだわりは”ノンシリコン”であること。
一時期はほとんどなくなっていたのですが、”シリコンコーティング”の鍼が”また”幅を利かせてきました。
ええ、実は、これ二度目のブームなんですね。
「鍼にシリコン塗布を行うとスムーズな刺し入れができる」という触れ込みで一時期積極的に販売されていたのですが、シリコン肉芽腫の問題がクローズアップされてから各社のラインナップから外れていきました。
で、また美容鍼灸の流行により、なぜか”シリコンコーティング”の鍼がまた再流行。
医療用のシリコンの製品開発が進み、シリコン肉芽腫の発生しにくいものができたのかなと調べてみたのですが、とくにそういうくだりはなく、むしろ注射器の鍼でもシリコン肉芽腫ができているという報告が近年報告されているくらい。
う~ん、なぜなんでしょうね?
とまあ、正直、シリコンコーティングのメリットを感じないので、顧客の将来を考えて、ノンシリコンで行こうというのがうちの方針です。
もっとも細かい話をすると技法と道具はセットです。技法と開発者もまたセットです。そしてそれは顧客のためにあります。
だって、顧客の要求を満たさないとお金もらえないですから。お金もらえないと生活できない。
だからすべての技術は顧客のためにないとダメってのがうちの商人としての考え方ですね。
私は施術者であることに誇りって過度に持つべきではないと思っています。むしろ商人のひとりとして継続的に取引ができることがお互いの健康と発展とに寄与すると考えています。
なので、信用から信頼。一時的な効果→継続することの価値を提案、提供することを旨としています。
ま、だから安易に安売りしない。ディスカウント競争で周囲を巻き込まない。しっかりと報酬をいただく。これ大事だと思います。
こんな感じで質問に答えてみました。
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